ビタミンCの浸透経路を3Dイメージングで解明!
日本メナード化粧品株式会社が名古屋大学およびあいち産業科学技術総合センターと協力し、ビタミンCの皮膚浸透経路を立体的に解析する技術を開発しました。これにより、これまで不明だったビタミンCの浸透メカニズムが明らかになり、化粧品の効果を最大限に引き出す可能性が広がります。
研究の背景とその技術
皮膚への成分の浸透は、化粧品の効果を発揮するために重要です。これまでの研究では、メナードは名古屋大学と共に、皮膚を凍結した状態で成分の3次元解析ができる技術を開発してきました。この新技術では、ビタミンCが皮膚内部でどのように分布しているかを詳細に視覚化することが可能です。
ビタミンCの浸透経路とは?
今回の研究の結果、角質層の中でビタミンCが角質細胞の辺縁部に多く分布し、角質層と顆粒層の境目で急激に減少することがわかりました。このことは、ビタミンCが皮膚へ浸透する際に、細胞間経路が優勢であることを示しています。また、角質層と顆粒層の間には浸透を制御する障壁が存在することも確認されました。これは、私たちが化粧品の成分配合を考えるうえで非常に重要な情報となります。
新技術の意義と今後の展開
3次元凍結質量イメージング技術は、低温環境で試料を維持しながら測定を行う革新的な方法です。従来のやり方では、処理によって試料の状態が変わってしまうことが多く、正確なデータを得ることが難しかったのですが、この新技術により、より生体に近い状態での調査が可能になりました。
例えば、2015年から続く「知の拠点あいち重点研究プロジェクト」の一環として、この技術は化粧品業界での新しい可能性を切り開くものです。これにより、化粧品の成分の浸透特性をより理解し、今後新製品の開発に活かされることが期待されます。具体的な発表は、2025年に東京で開催される第50回日本香粧品学会にて行われる予定です。
まとめ
ビタミンCの浸透経路を3D解析するこの新技術は、化粧品業界において革新をもたらすものです。これにより、肌の健康を維持するための新たな製品や技術の開発が進むことでしょう。今後も最新の研究成果に注目し、美容に役立てていきましょう。