OTBグループの2024年度業績が公開
OTBグループは2024年度の通期決算を発表し、その内容は業界に注目されています。特に、メゾンマルジェラとディーゼルが記録的な業績を収めたことが、大きなニュースとなりました。
業績の概要
2024年の総売上高は18億ユーロで、前年同期と比べて恒常為替レートでは4.4%の減少を示しました。その主な理由は、卸売りチャネルが経済の低迷の影響を大きく受けたためとされています。一方で、直販チャネルは前年同期比で7.4%の成長を記録し、特にメゾンマルジェラとディーゼルはそれぞれ4.6%、3.2%の売上増を達成しました。
OTBグループ全体では、グループEBITDAが2億7,600万ユーロ、EBITは4,400万ユーロとなりました。投資総額は7,700万ユーロで、全ブランドの小売り網の強化と重要な革新プロジェクトに焦点を当てています。
地域別の成績
特に注目すべきは、日本と北米市場です。日本では16.3%、北米では13.3%の増収を記録しました。日本はグループ全体の約26%を占めており、その重要性がうかがえます。新たな成長が期待されるUAEやメキシコ市場への進出も進めており、シャルーグループとのパートナーシップやメキシコでの新規法人設立など、国際的な展開を加速しています。
デジタルとサステナビリティへの取り組み
OTBグループは生産プロセスの効率化やデジタル化にも注力しており、新しい統合プラットフォームを活用した戦略プログラムを推進しています。特に顧客エンゲージメントを向上させるためのAIソリューションの導入が進んでいます。また、サステナビリティの観点からも、環境に配慮した製品の開発が進められています。
ブランドごとの戦略
ディーゼルは、リポジショニング戦略が効果を上げており、アジアを中心に新店舗をオープンしています。新たに、エシロールルックスオティカとの独占契約を結び、アイウェア市場の拡大も見込まれています。一方、メゾンマルジェラは高級素材の革新を進め、ラグジュアリーマーケットでの存在感を確固たるものにしています。ジルサンダーも大規模な旗艦店を東京にオープンし、新たなファインジュエリーコレクションの発表を予定しています。
OTBファウンデーションによる社会貢献
OTBファウンデーションは、社会的影響のあるプロジェクトへの支援を強化しています。教育や暴力に対する支援、子どもの救済など、多岐にわたる活動が行われています。
総じて、OTBグループは厳しい市場環境の中でも、デジタル化とサステナビリティの推進により、成長を続ける姿勢を示しています。特に日本と北米市場での成功が、今後の成長の鍵となるでしょう。