熊本・天草の新たな挑戦！桜鱒の海面養殖が始まる

天草の豊かな海に、未来を切り開く新たな挑戦が始まります。株式会社ふく成が、46年ぶりとなる新養殖魚種「桜鱒（サクラマス）」の海面試験養殖を開始することが発表されました。この試験養殖は2025年12月12日、熊本県天草市の御所浦町でスタートし、地域の漁業に新たな可能性をもたらすことが期待されています。

環境変化に向き合う地域の挑戦

天草の海は、長年にわたって人々の生活を支えてきましたが、近年では海水温の上昇や潮の変動、赤潮の発生など、様々な環境問題に直面しています。これまで当たり前とされていた漁業のリズムも崩れつつあり、漁業者たちの存続の危機をもたらしています。株式会社ふく成は、そのような環境変化から目を背けることなく、地域と共に新たな水産業の可能性を創造する使命を感じています。

今回は、株式会社Smoltと協力し、高温耐性を持つ桜鱒の養殖に挑戦することを決定。ふく成の持つ技術とSmoltの科学的な知見が合わさることで、新しい生産モデルが立ち上がる期待がかかっています。

桜鱒の持つ特性とその可能性

桜鱒が選ばれた理由は、御所浦の海に新たな可能性をもたらす魚であると確信できたからです。特に秋冬の時期、真鯛やとらふぐの出荷が盛んになる中、桜鱒の養殖がそのアイドルタイムに一致します。これにより、養殖場の効率的な活用が期待できるのです。また、桜鱒は春を象徴する美しい魚であり、環境変化にも強い特性を持っています。この魚が持つ可能性は、ひいては天草の水産業の成長に寄与していくことでしょう。

協業の意義と未来への展望

ふく成とSmoltという異なる強みを持つ二社の協業が、地域の水産業に新しい風を吹き込むことになります。ふく成は既存技術を活かしながら、Smoltの育種技術を取り入れることで, 天草に新しいサステナブルな水産業モデルを築くことを目指しています。これは全国でも数少ない取り組みであり、需要が高まる持続可能な養殖に繋がります。

2025年春には、初めての桜鱒が出荷される予定です。ふく成では、「天草産サーモン」としてのブランディングを考慮し、地域の漁業者と共に新しい特産品を生み出していきます。この挑戦は単なるビジネスの一環ではなく、未来を見つめた一歩でもあります。地域の方々と共に手を取り合い、環境に優しい産業を育てていく熱意が感じられます。

未来へ挑戦する意義

ふく成の平尾社長は、地域企業としての使命とともに、環境変動に強いモデルを築くことの重要性を語ります。そして、Smoltの上野社長は、天草の豊かな広がりと、二社の知見を結集することの意義を強調しています。この試験養殖は、地域にとって新たな特産品を生み出す契機となり、次世代の魚種として全国への展開が目指されます。

サクラマスの養殖は始まったばかりですが、その挑戦が地域や次世代に与える影響は計り知れません。ふく成は、未来の子どもたちに安心して食をつなぐことを使命とし、地域と共に歩み続けたいと考えています。新しい水産業の歴史が、ここ天草で始まろうとしています。