Z世代のフェムケア意識を探る産学共同プロジェクト
最近、フェムケアに対する認識が高まっていますが、特にZ世代の女性たちにとってはまだまだ未知の領域という声も多いです。そんな中、兵庫県にある武庫川女子大学と株式会社ワコールのフェムケアブランド「YOJOY」は、Z世代の女性の月経周期に伴う健康課題やデリケートゾーンのケアに関する調査を行いました。この産学連携プロジェクトは、具体的なデータに基づいてZ世代のニーズを把握し、彼女たちに向けた適切なアプローチを模索しています。
プロジェクトの出発点
民間企業と大学の協働として、本プロジェクトは2024年の秋にスタートしました。ゼミ生が中心となり、Z世代のリアルな声を集めるために詳細なアンケートを実施。2つの調査、すなわち「Z世代の月経周期に伴う健康課題の実態調査」と「Z世代のデリケートゾーンケアの実態調査」がおこなわれ、計850名以上の女性からの回答を得ました。
月経周期に関する調査
「Z世代の月経周期に伴う健康課題の実態調査」では、351名の女性からの意見が含まれており、64.4%がPMSを認識していることがわかりました。また、82.3%の回答者が生理痛やPMSが日々の生活に影響を与えていると実感していることも示されました。特に「生理痛」や「肌荒れ」といった心身の不調が多くの女性に認識されており、フェムケア製品やサービスの利用状況に関する調査でもほとんどが「月経管理アプリ」を利用している一方で、「何も利用していない」との回答も多く、フェムケアの浸透が足りない現状が浮き彫りになっています。
デリケートゾーンケアの実態調査
続いて行われた「Z世代のデリケートゾーンケアの実態調査」では、499名の女性の回答をもとに、43%が何らかの形でデリケートゾーンケアを行っていることが明らかになりました。最も多い理由は「脱毛に通い始めたから」であり、ケアに対する興味を抱く者も多いですが、約60%は「どれがいいかわからない」と回答しており、情報の不足が障壁となっていることがわかりました。
プロモーションの新しい形
調査結果を基に、ゼミ生たちはZ世代の関心を呼び起こすPR施策を提案。2025年3月には、日本最大級のファッションイベント「KANSAI COLLECTION 2025 SPRING&SUMMER」において、ブースを出展しました。ここでは、学生たちが提案したフェムケアアイテムのプロモーション内容を展示し、来場者へ直接的なメッセージを発信しました。
参加したゼミ生たちからは、「プロジェクトを通じてデリケートゾーンケアについて気軽に話せるようになった」「自分自身の身体や心の状態に向き合い、セルフケアの大切さを再認識した」との声が寄せられました。
これからの展望
「YOJOY」は、このプロジェクトで得られた情報や気づきをもとに、今後もZ世代が興味を持つトピックでの情報発信を強化し、女性たちの健康リテラシー向上に寄与する施策を展開していく考えです。新たに誕生したフェムケアブランドとして、その使命に取り組み続けます。
このプロジェクトは、Z世代の女性に必要な情報を届けるための重要な一歩となることでしょう。彼女たちが自らの健康や体に向き合うきっかけとなることを願っています。