微細藻類が生んだ新たな皮膚バリア成分とは?
株式会社サティス製薬とユーグレナ社が共同で行った研究から、3種の微細藻類に由来するヒト型の超長鎖セラミドが発見され、特許も取得したことが明らかになりました。このセラミドは、環境適応の一環として進化した成分であり、皮膚のバリア機能改善に寄与する可能性を秘めています。
微細藻類の生存戦略とセラミドの関係
約30億年前に誕生した微細藻類は、過酷な環境下でも生き延びるために特異な進化を遂げました。この研究では、ユーグレナ、オーランチオキトリウム、クロレラという3種の微細藻類から、それぞれ異なるタイプのセラミドが発見されました。これまで、セラミドに関する研究はあまり進んでいませんでしたが、今回の発見によってその重要性が再認識されています。
セラミドの意義
ヒトの皮膚には、常に外的なストレスから自らを守るためのバリア機能があります。その中心には、多様な構造を持つセラミドがあり、特に超長鎖セラミド(C42やC44など)は皮膚特有のバリア機能を支える重要な要素です。微細藻類も、同様に環境ストレスから自らを守るためのセラミドを持っており、これがヒト皮膚セラミドと共通することが発見されたのです。
3種の微細藻類と特有の超長鎖セラミド
研究結果により、それぞれの微細藻類から以下のセラミドが確認されました。
1. ユーグレナから見つかったセラミドAS
ユーグレナは植物と動物の特性を持つ微細藻類で、その中からC44の超長鎖セラミドASが発見されました。この成分は、他の素材からは得難い希少なものであり、独自技術で実用レベルにまで増量されています。
2. オーランチオキトリウムのセラミドNDS
海洋性微細藻類であるオーランチオキトリウムからは、通常は細胞内で代謝されるC44のヒト型セラミドNDSが発見されました。自然界での遊離状態は非常に稀なため、その分析は貴重な情報となります。
3. クロレラのセラミドAP
古くから研究されているクロレラからは、C44及びC45の超長鎖セラミドAPが検出されました。このセラミドは、従来のものとは異なる安定性を持つ可能性があります。
新たなスキンケアの可能性
これらの微細藻類由来のセラミドは、皮膚のバリア機能を向上させる効果が期待されています。加齢や肌トラブルによって減少するヒトのセラミドを補う自然由来の成分として、今後の化粧品原料に大きな可能性を秘めているのです。
今後の展望と研究開発
サティス製薬は、ユーグレナ社との提携を通じて、これらの新しいセラミドを利用する化粧品の研究開発を進めています。微細藻類からのセラミド成分を用いることにより、今後のスキンケアの方向性が大きく変わる可能性があります。
このように、微細藻類から得られるセラミドは、ただの美容成分ではなく、生命の進化と環境適応の結果として得られた貴重な資源です。これからの美容業界を効率的かつ持続可能な方向へと導く新たな材料として注目されるでしょう。