インクルーシブな音楽体験を可視化した「みんなでたのしむ音楽会」
2025年4月20日、エア・ウォーターの森で行なわれた「みんなでたのしむ音楽会」。この特別な音楽イベントは、子どもたちと大人たちが一緒になって音楽を楽しむ場を提供しました。特に小さなお子さんや障害を持つ方、そして経済的に豊かでない家庭からの参加者にも優しい配慮が施され、どんな立場の人でも「みんなで楽しむ」ことができる環境が整えられました。
共生社会の必要性
近年、共生社会の実現が求められる中で、教育や保育の現場でも「インクルーシブ」の概念が広まっています。しかし、実際には、親たちの中には障害を抱える子どもたちとの接点がない方も多く、様々な理由から子どもたちが経験できる機会が限られている現実も存在します。そこで、この音楽会は、障害を持つ子どもたちやその家族、さらに低所得家庭の子どもたちに向けて、気軽に参加できる場を提供することを目的としました。
音楽会の詳細
参加者は大人が86名、子どもが58名、さらにバギーや車椅子を利用する方も合わせて162名という、多くの人々が集まりました。特に印象的だったのが、出演者の「ちゃこっと」と「ハケトゥーボーイズ」。彼らの柔らかな歌声と迫力あるパフォーマンスが、会場を盛り上げ、参加者の心を一つにしました。
参加者が楽に運動できる工夫
音楽会では、参加者が自由に行動できるような工夫が数多く施されました。例えば、会場内の設計には段差がなく、出入りがしやすいように配慮されています。また、手話を取り入れた演出や、参加者全員がリズムを刻む時間など、幅広いアクティビティが用意されました。参加者が気軽に立ったり動き回ったりすることができるようにと、会場スタッフは有資格者や看護学生から構成され、安心して参加できる環境を整えました。
より良い環境を提供するために
告知の際には「インクルーシブ」や「バリアフリー」といった言葉をあえて使わない取り組みも行われました。これは、障害があることがあまり強調されすぎないようにし、参加する際のハードルを下げるための工夫です。また、参加者からは「立って声を出すことが許されている」という雰囲気が感じられ、アットホームな環境が整えられました。
参加者の声
参加者からは、イベントを通じて「共生とはこういうことか」といった感想が多く寄せられました。例えば、子どもが自由に動き回る中で、同じ音楽を楽しめた経験や、他の参加者との交流を楽しんだという声がありました。家族全員が参加しやすい環境が提供されたことに感謝の意を示す参加者も多く、「気兼ねなく楽しめることができた」と嬉しそうに語ってくれました。特に、バギーや車椅子利用者に配慮した設計が好評で、イベント全体を通じて「みんなでたのしむ」というテーマが実現されたことが感じられました。
おわりに
「みんなでたのしむ音楽会」は、単なる音楽イベントにとどまらず、共生社会の実現に向けた第一歩としての役割も果たしました。このイベントを通じて、異なる背景を持つ人々が集まり、音楽を通じて一つになる感動的な時間を共有することができたのです。今後もこうしたイベントが続き、より多くの人々が「一緒に楽しむ」ことの大切さを感じられる社会がおとずれることを期待しています。