商社4社の共同輸送プロジェクト、持続可能な物流の未来を切り開く

環境と効率を考えた取り組み

2025年3月、4つの商社が手を組み、革新的な共同輸送プロジェクトがスタートします。MNインターファッション株式会社、豊島株式会社、株式会社ヤギ、関光ロジNEXT株式会社の4社が連携し、国内フェリーを活用した新たな物流システムを構築します。従来のトラック輸送から海運のモーダルシフトを進め、持続可能な物流体制を目指す本プロジェクト。その背景にあるのは、環境への配慮と労働条件の改善です。

共同輸送が目指すもの

この取り組みでは、アパレルや雑貨といった商品が主な対象。コンテナを集約することで、輸送の効率を高め、CO₂排出量の削減を図ります。国際フェリーと国内フェリーを組み合わせた複合一貫輸送を行うことで、輸送効率の向上が期待されます。具体的には、中国からの関東向け貨物を下関港に集め、そこから横須賀港経由で首都圏へ輸送します。

この方法により、これまでトラックで輸送されていた部分が大幅に減少し、試算で約102トンのCO₂排出量削減を実現しています。4社合計の貨物は、約68台分のトラックに相当し、そのほとんどが関光ロジNEXTグループの東京九州フェリーによって担われます。

今後の展望

この共同輸送プロジェクトは、初めは幹線輸送にフォーカスしていますが、将来的には納品先まで一貫して配送する「共同配送」の実現にも挑戦します。各社はモーダルシフトの効果を継続的に検証し、さらなる改善を目指して努力しています。また、他社との連携を広げ、共同輸送や共同配送の流れを業界全体に拡大することで、物流効率を高め、環境負荷の低減に寄与していく計画です。

このように、4つの商社が協力し、持続可能な物流体制を構築することで、未来の物流業界に与える影響は計り知れません。環境への配慮と効率性を両立させる取り組みは、今後の業界スタンダードになる可能性があります。