EU環境規制への対応
2026-08-27 10:59:48

日本の繊維アパレル業界がEU環境規制に対応する新たな取り組み

日本の繊維・アパレル業界が挑むEU環境規制への対応



2024年7月、EUで施行される「持続可能な製品のためのエコデザイン規則(ESPR)」は、日本の繊維・アパレル業界にも大きな変化をもたらします。この新しい規則に対し、伊藤忠ファッションシステム株式会社(以下、ifs)とBooost株式会社(以下、Booost)は、新たに「欧州エコデザイン規則 繊維委任法対応プロジェクト(ESPR-T)」を立ち上げました。このプロジェクトは、日本の業界全体で欧州の環境規制に適切に対応し、持続可能なビジネスモデルを構築することを目的としています。

ESPR-Tプロジェクトの背景



EUにおけるESPRの導入により、製品ごとの環境性能の開示やトレーサビリティ情報の提供が求められるようになります。これは、特に原料から流通に至るまで多様な企業が関与する日本の繊維・アパレルサプライチェーンにとって、個々の企業が単独で対応することは非常に困難です。そして、これらの要件を満たさない製品は、EU市場で販売できなくなってしまいます。

日本企業にとって、欧州市場は非常に重要な輸出市場であり、ESPRへの適応は国際競争力の維持に欠かせない課題です。そのため、ifsとBooostは、日本の業界全体で協力し合う必要があると判断し、本プロジェクトを立ち上げました。

ESPR-Tプロジェクトの目指すもの



ESPR-Tは、日本の繊維・アパレル産業におけるEU環境規制への対応を支援する業界横断的なプラットフォームです。このプロジェクトの主な目的は、企業間での情報と知見の共有を通じて、業界全体の負担を軽減し、競争力を向上させることにあります。特に、共通の課題を整理し、必要に応じてEU当局への意見交換を行いながら、日本の実情に沿った制度形成にも貢献する意義を持っています。

実施内容について



プロジェクトは3つのフェーズに分かれています。まず、Phase1では、ESPRや繊維委任法に関連する最新情報の提供や、データ開示項目の整理、リサイクル対応の認証制度の理解を深めます。この段階で、企業間での定期的な勉強会を通じて知識を共有することが重要です。

次にPhase2では、企業間でのデータの流通や業務プロセスの標準化を検討し、共通して抱える課題をEU当局に対して提言していく予定です。

最終的にPhase3では、具体的なサプライチェーンを対象にした実証を行い、データ連携やDPPの実装支援を行うことで、得られた知見を業界全体に還元することを目指します。

参加の呼びかけ



ESPRへの対応は法律を守るためのみならず、企業価値を高めるための重要なステップです。現在、欧州ビジネスを展開する企業や繊維メーカー、商社など、サプライチェーンに関わる幅広い企業の参加を呼びかけています。参加はシンプルな手続きに基づき、初期フェーズは無料で行われます。

最後に



伊藤忠ファッションシステムの代表、駒谷隆明氏は「日本の繊維・アパレル業界の国際競争力を高めるためには企業間の協調が必要だ」と強調しています。Booostの青井宏憲氏も、「ESPRは日本のものづくりを世界に示す絶好の機会」と捉え、業界全体での協調を推進する姿勢を表明しています。

ESPR-Tを通じて、日本の繊維・アパレル業界が持続可能な未来に向けて踏み出す一歩を見逃さないでください。


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