成和化成、国際化粧品技術者会連盟での新たな挑戦
株式会社成和化成が2025年9月、フランス・カンヌで開催される第35回国際化粧品技術者会連盟(IFSCC)学術大会にて、スキンケア、ヘアケア、さらにはサンケアに関する画期的な研究を発表しました。本大会では、成和化成が開発した3つのポスターでの発表が行われ、研究の最前線に立つ企業としての存在感を示しました。
学術大会の意義
IFSCCは、化粧品の技術や科学を探求するための国際的なプラットフォームであり、業界の専門家が一堂に会する貴重な機会です。成和化成はこの場で、数々の研究成果を発表することで、化粧品界における更なる革新を推進していくことを目指しています。
発表内容1:表皮レチノールの効果
1つ目のポスターは、「表皮レチノールは表皮幹細胞を守ることで皮膚老化を抑制する- BCO1の重要な役割 -」というタイトルです。この研究では、βカロテン変換酵素(BCO1)が如何にレチノールの生成を助け、コラーゲンの発現を維持して皮膚の老化を防ぐかが報告されています。特に、ビタミンC誘導体iVC® 3LGAがBCO1の発現を促進することが示され、皮膚老化抑制効果に期待が寄せられています。
発表内容2:低分子量両親媒性物質の影響
2つ目は、毛髪に関連したテーマで、低分子両親媒性物質によるキューティクル剥離の抑制についての発表です。毛髪のキューティクルはダメージにより剥がれ落ちることがありますが、新たに発見されたAminoreact® TsV(トシルバリンNa)が、コーティング無しでキューティクルを保護し、枝毛の発生を抑えることが確認されています。このアプローチは、従来の方法と異なり、より継続的な美しさを提供する可能性があります。
発表内容3:マイクロカプセルの革新
3つ目は、「固体紫外線吸収剤を高配合したシルク‐シリコーンハイブリッドポリマーからなるマイクロカプセルがO/Wサンスクリーン処方を容易にする」という内容です。紫外線吸収剤の使用には多くの課題が伴いますが、Silasoma®を活用したマイクロカプセル技術によって、処方の安定性や感触向上が確認されました。この技術により、より効果的な日焼け止めの開発が期待されます。
成和化成の未来に向けて
成和化成は、化粧品業界に革新をもたらすため、引き続き新たな研究成果を追求していく方針です。研究の結果を世界に発信し、美容業界全体をより良い方向に導くという強い使命感を持っています。社員の約半数が研究開発に携わるこの企業は、技術革新の闇の中に明るい光を差し込む存在であり続けるでしょう。
おわりに
IFSCC学術大会における成和化成の発表は、化粧品研究の新たな潮流を示すものとなりました。今後の動向にも目が離せません。公式YouTubeチャンネルやInstagramによる情報発信を通じて、皆様もぜひチェックしてみてください。