環境に配慮した高純度エキスの魅力
最近、花王株式会社のスキンケア研究所が発表した新しいローズマリーエキス、"スマートガーデンローズマリーエキス"が注目を集めています。このエキスは、特に角化健全化効果に優れていることが明らかになりました。
新たな研究成果の発表
花王の研究チームは、独自の加工技術を用いてロズマリン酸の純度を向上させており、その結果が日本薬学会第144年会および第2回日本化粧品技術者会学術大会で発表されました。この発見は、スキンケア市場における新たな可能性を示唆しています。
環境負荷を低減する取り組み
スマートガーデンと名付けられた植物工場で、環境負荷を大幅に低減する取り組みが行われています。佐賀県の清掃工場から回収したCO2を用いて、ローマカミツレとともに水耕栽培されています。このように栽培条件を高度に管理しており、植物の成長とともに含まれる活性成分も増加しています。
独自の加工技術を通じて、エキス中の不純物を取り除くことに成功し、高純度のローズマリーエキスを生産することが可能になったのです。このエキスには、様々な効果が期待されており、多くの化粧品やスキンケア製品に応用されています。
角化健全化効果の具体的な分析
スマートガーデンローズマリーエキスの角化健全化効果を確認するために、正常なヒト表皮角化細胞にこのエキスを添加し、191種類の遺伝子の発現変化を観測しました。その結果、特に角化機能に関与する遺伝子の発現が増加することが示されました。
また、角化に影響を及ぼすタンパク質、TGM1やIVLの産生量も調査され、スマートガーデンローズマリーエキスは従来のエキスに比べ、これらのタンパク質の産生が増加することが確認されました。このことは、スマートガーデンローズマリーエキスが角化プロセスを強化する可能性を示しています。
角層構造の成熟度検証
さらに、角層の構造を強化する能力も調査されました。蛍光染色により、スマートガーデンローズマリーエキスを添加した細胞の成熟度を確認したところ、細胞が大きくなり、構造が明瞭であることが確認されました。これは、エキスの効果的な利用が角層の健全な状態を促進することを示唆しています。
ロズマリン酸の優位性
また、従来のローズマリーエキスに含まれる成分がロズマリン酸の効果を阻害することがあることも発見されました。特に、ベツリン酸が含まれていると発現が抑制されることが判明。スマートガーデンローズマリーエキスは、不純物を減少させることで、その効果を最大限に発揮しています。
まとめ
今回の研究から、スマートガーデンローズマリーエキスが従来のローズマリーエキスよりも高い角化健全化効果を持つことが示されました。花王は環境への配慮と高品質な製品開発を両立させ、生活者の満足感を高めるための努力を続けています。
このエキスが美容業界にもたらす変革に、期待が高まるばかりです。