新たな研究結果!埋没式重瞼術と年齢の関係
背景と目的
美容医療の進化とともに、多くの人々が施術を受けるようになりました。その中でも特に人気のある埋没式重瞼術は、切開を行わないため体への負担が少なく、多くの方に選ばれる治療法です。しかし、施術後に「糸ゆるみ」や「ライン消失」が生じるなどの不安も少なくありません。このような再施術リスクについて、年齢がどのように影響するのかは明確にされていないのが現状です。
研究内容
先日、TCB東京中央美容外科の奥村公貴医師を中心とする研究チームが、全国の美容外科チェーンから得た52,281件のデータに基づいて、埋没式重瞼術における再施術率を年齢別に分析した論文を発表しました。
選ばれた対象者は、無作為に抽出された600名(各年齢層100名:20歳未満、20-29歳、30-39歳、40-49歳、50-59歳、60歳以上)です。この詳細な後ろ向きコホート解析により、年齢ごとの再施術リスクを明らかにすることを目的としています。
結果の概要
その結果、134症例(全体の22.3%)で再施術が認められました。特に注目すべきは、20歳未満の群では再施術率が41%と最も高く、30-39歳群では12%と最低でした。この年齢層による有意な差(p < 0.001)も確認されています。さらに、ハザード比(再施術リスクの指標)でも20歳未満群が1.91(95%CI: 1.13–3.23)と有意に高いことが判明し、再施術リスクが他の年齢層に比べて顕著に増加する傾向にあることが示されました。
60歳以上の群ではハザード比は1.34と上昇傾向にあったものの、有意差は確認されませんでした(p=0.327)。ここでも年齢によるリスクの違いが顕著に現れていることが分かります。
結論と今後の方向性
研究を経て、埋没式重瞼術における再施術リスクは年齢によって有意に異なることが明らかになりました。これにより、特に若年層および高齢層においては、糸によるラインの維持が難しいという傾向が示唆されています。今後、術前カウンセリングや施術計画の際には、年齢別の解剖学的・生理学的特性を踏まえた戦略的アプローチが求められることでしょう。
TCBはこのような新しい研究成果をもとに、さらに多くの患者さんに安全で効果的な施術を提供することを目指していきます。また、今回の研究結果は、今後の美容医療における施術戦略の見直しのきっかけともなるでしょう。