ファーメンステーション、環境課題への挑戦
バイオものづくりスタートアップの株式会社ファーメンステーション(本社:千葉県船橋市、代表取締役:酒井里奈)は、新たに「公益財団法人PwC財団助成事業2025年度春期環境(食料システム)」に採択されました。この助成事業は、急速に増大する食糧需要や食品ロスなど、環境に関するさまざまな課題に取り組むものです。
食品ロスの現状と課題
現在、世界中で約40%の食品が廃棄され、その廃棄物は温室効果ガス排出の原因の10%を占めると言われています。この現状の中で、特に未利用バイオマスの有効活用は、環境保護に向けた大きな課題として浮上しています。ファーメンステーションは、これまで多種多様な未利用バイオマスを発酵によって再活用する研究を行い、独自の酵素処理技術を確立しています。これにより、難分解性のバイオマスにも効果的にアプローチできるようになりました。
助成事業の具体的な取り組み
今回の助成を通じて、ファーメンステーションは「発酵産物データベース」を構築します。このデータベースには、収集した未利用バイオマスを発酵・分析した結果が蓄積され、食品業界における未利用バイオマスの活用を促進します。また、AI解析を活用し、最適な食品原料を提案するシステムの開発も視野に入れています。
この取り組みは、未利用資源の活用を広め、持続可能な食料システムの実現に貢献することを目的としています。具体的には、食品業界にとって価値のある新しい原料の提案や、社会全体のアップサイクルを促進することが期待されています。
独自の発酵アップサイクル技術
ファーメンステーションの強みは、多様な微生物を使った発酵技術にあります。非遺伝子組換え微生物を用いて、これまで使われてこなかった香料や機能性素材を生成できる能力を持っており、未利用バイオマスのほかに化粧品原料としても利用可能な素材を開発しています。これにより、食品ロスの削減や温室効果ガスの排出抑制、さらには未来のタンパク質危機への対策が同時に実現できるのです。
未来へのビジョン
ファーメンステーションは、持続可能な食料システムの革新に向けたエコシステムの拡大を全力で目指しています。特に、地域社会との共創や、環境への配慮が求められる現在、同社の取り組みはますます重要視される存在となります。地域循環型社会の形成にも力を入れ、経済・社会・環境のバランスを考えたビジネスモデルを確立することで、持続可能な未来を提案しています。
会社概要
株式会社ファーメンステーションは、「Fermenting a Renewable Society(発酵で楽しい社会を!)」を企業の理念に掲げ、未利用資源の再生・循環を目指します。詳細な企業情報は、
公式ウェブサイトから確認できます。ファーメンステーションは、未来の食料事情を支えるべく、一歩ずつ前進しています。