株式会社コーセーが開発した「効果球」とは
化粧品業界に新たな風を吹き込む技術が誕生しました。それが、株式会社コーセーが開発した粉体製剤における適切な分散剤を予測する手法「効果球」です。この技術は、粉体入りリキッド製剤の開発において、従来の課題を解決するものとして注目されています。今回の研究成果は、第2回 日本化粧品技術者会(SCCJ)学術大会で最優秀口頭発表賞を受賞し、業界の期待も高まっています。
効果的な粉体分散の重要性
粉体の分散性は、化粧品の発色やUV防御、さらには使用感に大きな影響を与えます。リキッドファンデーションや日やけ止めなど、多くの製品は粉体、溶媒、分散剤の3成分のバランスによってその効果が決まります。しかし、どの分散剤や溶媒を選ぶべきかを体系的に判断する手法はこれまで存在していませんでした。そのため、個々の化粧品開発者の経験に基づく選定が行われていたのです。
ハンセンの溶解度パラメータの活用
コーセーの研究チームはハンセンの溶解度パラメータに着目し、粉体・溶媒・分散剤の選択を整理する手法を開発しました。このパラメータは、物質同士の親和性を測定するための指標であり、各物質の凝集エネルギーを数値化したものです。これを基に、化粧品の3成分が成功するための「効果球」と呼ばれる領域を設定。この領域に基づき、製品開発が行えるようになりました。
効果球の実際の施策
「効果球」は、分散剤を活用して粉体の粒子径を測定することで、どのように物質同士が混じり合うかを分析します。実際の試行では、分散剤を添加した際に粒子径が小さくなる様子から、どれが効果的な分散剤であるかを特定。これにより、粉体が効果的に分散される領域が判明し、この内部を「効果球」と命名しました。
また、効果球を用いて行った研究では、分散剤と溶媒の組み合わせによる粉体の粒子径との相関を比較し、従来方法よりも優れた予測結果を確認しました。これは、分散剤が粉体表面で効果的に働く状態を正確に評価できたことが理由と考えられます。
今後の展望
この新たな技術によって、粉体の分散性を正確に予測し、製品開発に活かすことが可能になります。これにより、より優れた発色、使い心地、紫外線防御効果を持つ化粧品の開発が期待できます。
コーセーは、この新技術を駆使してお客様のニーズに応えるモノづくりを進めていく方針です。これからも業界に革新的な影響を与え続けることでしょう。今後の研究成果に要注目です。