近年の音楽業界におけるAIの影響
音楽配信業界が変革を迎えています。AIを活用した技術の発展により、メロディや歌詞、さらにはボーカルまで、誰でも簡単に音楽を自動生成できる時代になりました。具体的には、音楽生成アルゴリズムを用いることで、一から自分だけの楽曲を作り上げることができます。しかし、この便利さには知られざる課題も潜んでいます。
特に、AI自動生成音楽、いわゆる“AIまるごと生成音楽”が大量に流通する中、アーティストには収益機会の損失や、音楽文化全体の価値が脅かされるという懸念が生じています。実際、一部にはボットによる大量生成が行われ、ストリーミングプラットフォームでの収益を狙う悪質なケースが報告されているのです。
Qosmoが目指す音楽文化の健全化
そんな状況を受けて、音楽技術の最前線を行く株式会社Qosmoが新たに提供するのが「AI Music Detector」です。このサービスは、AI技術を駆使してAI自動生成された音楽を識別し、サポートすることで、音楽配信プラットフォームの透明性を高めることを目的としています。
具体的には、SunoやUdioといった代表的なAI音楽生成サービスによって作られた音源の特長を検知するシステムを構築しました。現在、検出精度は80%〜90%となっており、今後はさらなる向上を目指して、他の生成プラットフォームへの対応も進めていく予定です。
法人向けのAI楽曲検知APIの登場
これまでQosmoは、Spotify上でAI自動生成楽曲を判定するための無料のWebサイトやChrome拡張機能を提供してきました。しかし、多くの企業からのニーズに応え、法人向けに有料APIサービスの提供を開始しました。このAPIを利用すると、音源の事前審査やアカウント管理において、AI生成楽曲を自動的に識別し、フラグ付けする仕組みが可能となります。モデレーション作業の効率化に加え、ガイドラインの遵守を徹底できるようになります。
実際に多くの音楽配信事業者やレーベルとの導入協議が進行中で、さらに無料トライアルも利用可能なので、関心のある方はぜひ体験してみてください。
AI音楽の未来に向けて
Qosmoは、創業当初からAIを通じた創造性の拡張を志してきました。新しい音楽制作方法を模索し続け、その一環として今回の「AI Music Detector」が開発されたのです。このサービスは、AI音楽の存在を否定するものではなく、むしろその可能性を引き出しつつ、健全な発展をサポートすることを目的としています。
AIと人間の創造性が共存する未来の音楽文化を目指して、Qosmoは今後も技術、倫理、創造性の調和を意識したソリューションを提供し続けることでしょう。
利用方法や料金について
「AI Music Detector」はAPI形式で提供されており、初期導入費用に加えて月額利用料金が発生します。一定のAPIコールを超えた場合は追加料金も発生しますので、詳細はぜひお問い合わせください。また、特定用途に合わせて検出モデルのカスタマイズも可能です。
お問い合わせ先
Qosmoは2009年に設立され、「アートとテクノロジーを通じて人類の創造性を拡張する」ことをビジョンとして活動しています。アーティストや研究者、プログラマ、デザイナーからなるチームが、AIを利用した音楽制作やプロジェクトを多く展開し、より多くの人に創造的な働きかけを行う社会の実現に向けて日々努力しています。