平安時代の不思議な姫君を描く舞台『虫めづる姫君』が再演へ

待望の再演！『虫めづる姫君』の魅力

2025年6月20日（金）と21日（土）に、東京文化会館小ホールにてシアター・デビュー・プログラムによる『虫めづる姫君』が再演されます。この舞台は、2022年に初演し大きな反響を呼んだ作品で、平安時代の物語を独自の視点で描いています。

舞台の背景

『虫めづる姫君』は、平安時代の短編小説集「堤中納言物語」の一部を元にしており、特に虫を愛する姫君の個性的なキャラクターに焦点が当てられています。美しい花や蝶が好まれたこの時代において、虫を愛する姫君のあまりの自由な生き方が周囲を驚かせる様子が描かれています。彼女の特異な存在感が、男女の恋愛模様とともに見事に表現されます。

アーティストの息吹

舞踏家の我妻恵美子が演出と振付を担当し、独特の舞踏スタイルでこの物語を力強く表現します。また、作曲家でピアニストの加藤昌則が音楽を手がけており、クラシック音楽と舞踏が融合した新たなアプローチが楽しめます。二人のアーティストは共に、作品創造において試行錯誤と磨きをかけてきました。

実際の公演内容

今回は音楽と舞踏の親和性がテーマになっており、時間を超えた性のあり方にスポットを当てるなど、現代からも通じるメッセージを盛り込んでいます。本作では伝統的な日本の舞踏が用いられ、印象的な舞台装置と衣裳によって、観客を古の日本へいざないます。

物語のあらすじとキャラクターたち

物語の中心となる姫君は、虫を愛し、他人の目を気にせず自由に自分を表現します。彼女の周りには侍女や貴族の男性たちがいて、彼女の独特な趣味に翻弄される様子がコミカルに描かれています。特に、貴族の殿方が姫君をからかおうとカラクリの蛇を贈るシーンでは、姫君の愛らしさと反発に観客も引き込まれること間違いなしです。