新発見!L-シトルリンと血管老化の関係
加齢とともに私たちの身体にはさまざまな変化が現れますが、その中でも特に注意が必要なのが「血管老化」です。これに関連する新たな研究成果が、キリンホールディングス株式会社と株式会社アルムによる共同研究として発表されました。2025年5月には「PLOS One」での報告が予定されています。
血管老化とは?
血管老化は、年齢が進むにつれて血管の柔軟性や拡張能力が低下する現象です。この状態は「サイレントキラー」とも呼ばれ、自覚症状がないまま心血管疾患やその他の健康リスクを引き起こす可能性があります。特に注意が必要なのは、一酸化窒素(NO)の生成が減少することで、血管の健康が損なわれることです。キリンはこのNO生成を促進するL-シトルリンに注目し、研究を続けてきました。
研究の内容
今回の研究では、日本人におけるL-シトルリン代謝経路の一塩基多型(SNP)と血管老化の関連性について探求が行われました。約2,000名のMYCODE会員を対象に、L-シトルリンを介する遺伝子のSNPと血管老化に関連する自覚症状との関係を統計的に評価しました。その結果、『太りやすさ』や『手足のしびれ』、さらには『腰痛』や『身体の痛み』、『気分の落ち込み』まで、様々な症状と関係性が確認されました。
遺伝子の多様性
この研究からわかったことは、それぞれの遺伝子型が異なる症状の感じ方に影響を与えているという点です。具体的には、遺伝子上に存在する複数のSNPが、血管老化に伴う症状の発現に関与していることが明らかとなったのです。これにより、個人の体質や症状をもとにしたパーソナルな健康管理や栄養サポートの重要性が浮かび上がってきます。
健康管理への応用
血管老化に関わる自覚症状の感受性を予測することで、個人の遺伝子型に基づいた健康管理が可能になる未来が期待されています。これは個々人が自身の健康状態をより深く理解し、適切な対策を講じる手助けとなるでしょう。糖尿病や高血圧のリスクを早期に察知する手がかりにもなり得ます。
キリンの目指す未来
キリンホールディングスは、自然環境と人間の健康を尊重し、満たされた生活へと導く「食と健康」をテーマにした取り組みを進めています。今回の研究成果も、その一環として注目されており、心豊かな社会の実現に向けた貢献が期待されています。
この研究がもたらす新たな知見は、健康意識の高い方々や中高年層にとって、非常に重要な情報となるでしょう。血管の健康を見直すきっかけとして、多くの人々の関心を集めること間違いありません。