ファッション顧客満足度
2025-01-16 11:37:20

2024年度下期のファッション店舗顧客満足度調査結果を探る

2024年度下期のファッション店舗顧客満足度調査結果を探る



ファッション業界全体の発展を目指す上で、顧客満足度の向上は欠かせない要素の一つです。2024年9月に実施されたワールド・モード・ホールディングス株式会社(WMH)が行った顧客満足度調査、通称SEEP(シープ)の結果が2024年度下期レポートとして発表され、その結果に対する考察が注目を集めています。この調査は、実店舗での顧客体験を数値化し、改善点を見つけ出すための重要な役割を果たしています。

SEEP調査の概要


SEEPは年に2回、全国のファッションブランドの店舗を対象とした大規模な顧客満足度調査です。主に、ラグジュアリー、アフォーダブルラグジュアリー、セレクトショップ、トレンドカジュアル、スポーツ、ジュエリーの各カテゴリーを網羅しており、東京、大阪、名古屋、札幌、福岡の主要な5エリアで実施しています。調査は、「アプローチ」「ヒアリング~プロポーザル」「クロージング」という接客プロセスに基づき、体験全体を数値で評価します。最終的に、ポイント制で結果が提示され、より客観的な評価が行われます。

2024年下期の調査結果


2024年下期の全国調査では、顧客満足度が100点満点中63点という結果でした。この点数は前回の調査と同じですが、その背景にはコロナ禍からの回復も影響していると考えられます。インバウンド客数は依然として多く、売上への寄与が期待される一方、売上の伸び率には鈍化の傾向が見られます。これは、過去の急成長からの反動とも言えるでしょう。

カテゴリー別の傾向


ラグジュアリーとアフォーダブルラグジュアリー
両カテゴリーにおいて、特に「アプローチ」シーンでの点数が低下しています。これまではアフォーダブルラグジュアリーが高得点を記録していたものの、最近のデータでは顕著に下がったことが挙げられます。

スポーツブランド
競争が激化している中、接客方法も変化しています。セルフ店舗の増加により、声をかけるべきか否かで悩む販売員の姿が見受けられ、そのために顧客に対するウェルカムな姿勢が伝わりづらくなっています。笑顔での接客は改善の余地があるとされています。

トレンドカジュアル
こちらのカテゴリーでは、基本的な挨拶や要望の聞き取りが改善されていることが確認されました。今後は再来店促進のためのアクションが重要です。

今後の展望


統計によれば、インバウンド客の多国籍化が進んでおり、購買行動が経験重視にシフトしています。日本文化に興味を持つ観光客が増加していることも注目すべき点です。しかし、今後のインバウンド需要の成長は鈍化すると予想されます。そのため、各ブランドは顧客満足度の向上を継続的に図る必要があります。

さらに、店舗のサービスレベルを維持し、調査結果を基にした改善を実施することが重要です。OMNIチャネル(OMO)への対応も視野に入れ、ECと連携した新たな店舗戦略が求められます。

このように、SEEP調査の結果はファッションブランドが抱える課題や改善点を明確にし、成長の糧とするための貴重な情報源となります。店頭接客のパフォーマンス向上が、ブランドの成功に直結することは今後も変わりません。現場の課題把握から、スタッフの能力開発につなげるため、リサーチ&エデュケーション事業部のサポートを受ける姿勢も重要です。

まとめ


顧客満足度を向上させるためには、実データに基づいた分析を行い、その結果を活かした施策を継続することが鍵となります。ファッション業界が成長し続けるために、店舗運営の改善を通じて、より良い顧客体験を提供していくことが求められています。


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