食の社会課題解決に向けた新たな取り組み
オイシックス・ラ・大地株式会社(以下、オイシックス)が、エーザイ株式会社(以下、エーザイ)と連携して、食に関する社会的課題の解決に挑む取り組みを始めることが報告されました。特に、認知症に関連する問題に対処するため、2025年1月からは「認知機能の維持・向上」に貢献する食事支援サービスの検証を行います。この試みは、健康的な食事がどのように認知症のリスクを低減するかに着目し、より多くの方々にその重要性を伝えることを目指しています。
認知症啓発活動の重要性
エーザイが推進する認知症の啓発活動は、国立研究開発法人国立長寿医療研究センターの監修のもとに進められています。近年、認知症や軽度認知障害(MCI)の予防において、健康的な食事の重要性が再評価されており、適切な食事は認知機能低下のリスクを減少させる要因として注目されています。エーザイは8,269件もの研究をレビューし、どのような食事が認知機能にプラスの影響を与えるかを掘り下げたガイダンスを作成しました。
このガイダンスをもとに、オイシックスは実際の食事サービスをどのように構築するか、その可能性を探る試みを始めるのです。これによって認知症予防に寄与する新たなサービスの開発が進むことを期待しています。
ミールキットの活用と今後の展望
さらに、オイシックスはすでに2024年5月から、がん患者およびその家族向けに特化したミールキット「がん患者さんとつくったヘルスケアOisix」を導入しています。このサービスの運営における経験を活かし、今後は認知機能低下リスクを持つ高齢者の方とその家族への食事体験を提供します。食に対する嗜好やサービスを探ることを通じて、より実践的な支援が可能になると確信しています。
手引きとその意義
この新たな取り組みでは、エーザイが作成した「認知機能低下リスクの低減に寄与する宅配食/ミールキット開発の手引き」も参照します。この手引きは、栄養士などが健康的かつ効果的な食事メニューを開発するためのサポート資料として機能します。ガイダンスと手引きを基に、オイシックスは、参加企業とともに、産官学の連携を深め、地域社会の健康寿命延伸や高齢者が住み慣れた場所で安心して暮らせる環境作りに貢献していく考えです。
エーザイとオイシックスの役割
エーザイとオイシックスの協業は、食品界に新たな光をもたらすことでしょう。エーザイは患者様の健康を第一に考え、脳に関する医薬品の研究を行ってきました。一方のオイシックスは、そのサブスクリプションモデルを通じ、消費者が求める食事体験を提供することに優れています。いずれの企業も、より多くの人々が良い選択をできるように支援することを約束しており、両者の取り組みは、今後の社会に対して大きな影響を与えることでしょう。
結論
食は私たちの生活における基本であり、その質が健康を左右します。オイシックス・ラ・大地とエーザイの共同プロジェクトは、単なる食事提供にとどまらず、認知症予防という社会課題解決に向けた具体的な手段として位置付けられています。これからの展開に目を見張り、健康な未来を共に目指したいものです。