桃谷順天館、創業140周年を祝う広告デザインリニューアル
創業139年を迎えた「桃谷順天館」は、2025年6月に創業140周年を迎えるにあたり、阪急大阪梅田駅の広告デザインを一新しました。このリニューアルは、同社の理念や商品への思いを新しい形で示すことを目的としています。特に注目すべきは、10面でのエスカレータ広告です。ここでは、広告コピーと共に一般公募で選ばれた140周年ロゴを使用した5種類のデザインが展示されています。
駅ならではの広告の取り組み
広告が掲出されているのは、駅の2~3階のホームエスカレータで、移動時間が平均30秒という点に着目しました。この時間を利用して、利用者と心のコミュニケーションを図ることを目指した「お客さまとの30秒コミュニケーション」というコンセプトが生まれました。
SNSが主流となった時代にあって、リアルの場でのコミュニケーションは難しいものです。そのため、桃谷順天館は、駅という公共の場を活用し、訪れる人々の目に留まることを重視しました。広告は、まるで駅員からの優しい声掛けを受けているかのように、通行人の心に訴えかけます。
創業の原点「美顔水」
桃谷順天館の創業は、明治18年(1885年)に妻のニキビを治すために開発された「美顔水」に由来しています。この製品は日本で初めての西洋医学処方の化粧水として評価され、以降も長きにわたって多くの人々に支持されています。創業から100年以上を経てなおも販売され続けているロングセラー商品であり、2020年には「日本化学遺産」にも認定されました。
歴史ある商品群
その後、同社はスキンケアだけに留まらず、様々な美と健康に関する商品を展開してきました。1922年には天皇に化粧品が献上され、多くの歴史的な商品が誕生しました。月日が経つにつれ、桃谷順天館は日本全国の女性に愛されるブランドとなりました。
新しい時代への挑戦
創業140周年を記念した広告デザインは、過去の実績を振り返りつつ、未来への意欲を表しています。駅での広告展開は、オンラインが主流の今、リアルな場での存在感を強め、自社ブランドの訴求力を高める重要な施策です。これにより、桃谷順天館は多くの新しい顧客と良好な関係を築いていくでしょう。
桃谷順天館の新しい広告デザインは、ただの商品を伝えるだけでなく、いかにしてブランドのストーリーを語るかを模索していると言えます。これからの動向にも目が離せません。