カルビーが新たに誕生させた知的財産管理プラットフォーム『かるれっと』とは?
カルビー株式会社が発表した知的財産(IP)管理プラットフォーム『かるれっと』は、同社初のブロックチェーン技術を用いています。このプラットフォームは、クリエイターとライセンス業務を支援し、IP事業を加速するために設計されています。『かるれっと』の名称は、「カルビー」と「ウォレット」を組み合わせた言葉であり、クリエイターが制作したデザインをライセンス展開しやすくすることで、円滑な契約の締結を支援します。
背景と目的
カルビーの新規事業部門「Calbee Future Labo」は、2023年から多様なデザインや愛されるキャラクターのIPを活用し、グッズや雑貨、ゲームアイテム、さらにはNFT(非代替資産)といった新たな市場を開拓してきました。これにより、カルビーのライセンス商品は前年比で約80%増加しました。この成果を踏まえて、同社は自社のIPを最大限に生かし、お客様との接点を拡大することを目指しています。
『かるれっと』の導入によって、クリエイターは自らの作品を簡単にライセンス展開できるため、カルビーとの契約がスムーズに進むことが期待されます。このプラットフォームは、特に外部のクリエイターが自由な発想で作品を制作できる環境を整えることを目的としています。
実証実験と今後の展望
『かるれっと』は2025年4月17日から実証実験をスタートし、まずは「じゃがりこドリーム2nd『じゃがりこ細いやつ』グッズデザインコンテスト」で入賞した8名のクリエイターとの契約に踏み切ります。入賞作品を基にした商品企画を進め、具体的な成果を出すことが期待されています。
さらに、今後の展開として、カルビー商品の食べ音を使用した音楽レーベルの創設や、クリエイターコンテストの開催も計画されています。このような活動を通じて、カルビーはクリエイターとのコラボレーションを強化し、さまざまな形でお客様に楽しんでもらう機会を提供していく方針です。
Calbee Future Laboのビジョン
「Calbee Future Labo」では、カルビーのIPを活用して、日常的にカルビー商品と触れ合う機会を作り出すことを目指しています。これまでに「じゃがりこスニーカー」などのユニークな商品を開発し、2030年までに全世界で1,000万人のお客様に楽しんでもらうことを目指しています。事業ディレクターの松本氏は、カルビーのIPをより多くのクリエイターに活用してもらうことで、楽しいクリエイティブ活動が広がることを期待しています。
知的財産管理の新技術
『かるれっと』は、分散型ID(DID)とブロックチェーンに基づく知的財産管理の新しい形態を提供します。このプラットフォームでは、創作物の権利証明や利用履歴を記録・共有できるため、クリエイターが安心して自らの作品を多くの人に届けられる環境を実現します。自らの権利を明確にし、ライセンスという新たなビジネスモデルを根付かせることで、IP事業の未来を切り開いていきます。
まとめ
カルビーの『かるれっと』は、商業活動の枠を広げ、クリエイターの支援を通じて新たな価値を創出することを目指しています。この取り組みが、知的財産の活用にどのような変革をもたらすのか、今後の展開に注目が集まります。