ファッション業界の採用課題を考える人事交流会の報告

iDAが主催した人事交流会の詳細

2025年1月16日、東京都渋谷区に本社を構える株式会社iDA（アイ・ディ・エー）は、ファッションおよびビューティ業界の人材課題に焦点を当てた人事交流会を開催しました。約50名の企業の採用担当者が集まり、iDAのRPO（採用代行）事業責任者、越智則禎氏による2025年の中途採用市場に関するトレンド解説が行われました。

2025年の採用市場の見通し

今後の採用活動において、企業が競争力を維持するためには、柔軟で戦略的なアプローチが求められます。2025年の中途採用市場は、一層の競争が予想され、人材獲得がますます難しくなるでしょう。特にファッション業界では、有効求人倍率が約2.5倍とされており、人材需要は供給を大きく上回っています。そのため、企業は効果的な採用戦略を構築することが必要です。

人材不足の深刻化

日本における人口構造の変化から、2025年には約505万人の人手不足が予測されています。さらに、この状況は2030年には710万人規模に達する可能性もあり、全業種にわたる人材不足が懸念されています。このような背景から、企業は採用活動の手法を見直し、より効率的に優れた人材を確保する必要があります。

求職者の視点が変化

最近の求職者は、給与や福利厚生に加え、職場の文化やワークライフバランス、キャリアパスの明確さなど、さまざまな視点から企業を選ぶ傾向が強まっています。このため、企業は自社の魅力を最大限にアピールし、求職者が興味を持ち続けるための戦略の構築が求められます。

2025年以降の採用活動は、単なる「今すぐ応募者を集める」手法から「長期的な人材確保戦略」へとシフトする必要があります。もはや即効性のある採用手法だけでは通用しない時代になっているのです。

潜在層へのアプローチ

近年、日本の労働市場においては、「今すぐ転職したいわけではないが、機会があれば考慮したい」という潜在的な求職者が多く存在します。これらの層への魅力を如何に引き出すかが、採用活動の成功を分けるカギとなるでしょう。具体的には、企業のビジョンやプロダクト、働き方を魅力的に発信し、求職者の興味を喚起することが重要です。

また、SNSの活用やイベント出展、コミュニティ運営を通じたリレーションシップ構築が求められます。

具体的な取り組み例

1. ダイレクトリクルーティングの活用
スカウト活動を戦略的に行うことで、応募率の安定化を図ります。スカウトメールのタイトルや配信タイミングを工夫することで、潜在的な応募者への効率的なアプローチが可能になります。

2. 過去応募者データの再活用
過去に応募したが選考を辞退した求職者への再アプローチは、効率的な人材獲得につながる可能性があります。特に選考通過後に辞退した候補者は、数ヶ月後にライフステージが変化し再度転職を検討することが多いです。このため、早期のフォローアップが効果的です。

終わりに

越智氏は、「2025年以降はさらに厳しい採用環境が予想されます。日々変化する市場に対して、企業側から新しい採用手法を導入し、働きかける仕組みが必要です」と強調しました。iDAのRPOサービスを利用することで、最新の市場動向に適応した採用戦略を構築し、企業の成長を後押しすることが期待されています。

今後もiDAは、ファッションおよびビューティ業界に特化した情報を元に、人事担当者への採用コンサルティングを行い、業界全体の発展に貢献していく考えです。