注目のミュージカル『LAZARUS』.
デヴィッド・ボウイの直接的な遺作でもあるミュージカル『LAZARUS』が、2025年の日本初演に向けて稽古が進行中です。ボウイは、2016年に他界する前にこの作品を手掛け、彼の最後の音楽的メッセージが込められています。この公演は、5月31日から横浜のKAAT神奈川芸術劇場で、続いて6月28日と29日に大阪のフェスティバルホールで上演されます。
ボウイとエンダ・ウォルシュのコラボ
本作はロックスターであるボウイが、劇作家エンダ・ウォルシュと共に脚本を創り上げたもので、彼の生涯を振り返る作品とは異なり、SF映画『地球に落ちて来た男』の続編として設定されています。主人公のニュートンが彼の後の運命をたどるこの物語には、ボウイの名曲がふんだんに散りばめられています。特に『All the Young Dudes』や『Changes』、そして新たに書き下ろされた『No Plan』などが、ストーリーに深みを与えています。
緊張感あふれる稽古場
稽古場では、主演の松岡充が『Absolute Beginners』を歌う声が響き渡り、緊張感と期待感が交錯しています。演出の白井晃氏は、シーンごとの見せ方に注目し、各キャラクターが動きやセリフに込める意味を意識するよう指導しています。全17曲はボウイの遺志に従い、英語で歌われることが決まっており、彼の音楽が持つ力を強調しています。
ニュートンの旅路
物語の中で、松岡が演じる異星人ニュートンは、彼に好意を持つ女性エリーに誘惑される重要なシーンが描かれています。エリーの行動は、ボウイのミュージックビデオにも見られる官能的な要素を感じさせます。ニュートンは彼女に心を奪われる一方で、別のキャラクターとの出会いによって新たな希望を見出していきます。
劇場裏の情熱
稽古が一段落すると、演出家の白井氏は俳優に対し、力を抜いて腹から演技することをアドバイス。彼は作品や人物の背景についても深く掘り下げ、言葉以外に観客が感じ取る要素も重視しています。また、演者同士のコミュニケーションを大切にし、時には自ら演じることで、より良い舞台作りを追求しています。
ボウイの遺したメッセージ
ボウイがこの作品に込めたメッセージは、観客自身が何かを感じ取り、持ち帰るものでなければなりません。彼は生涯を通じて表現してきた「生(いのち)」や「希望」を、舞台を通じて感じてほしいと願ったのかもしれません。ミュージカル『LAZARUS』は、彼の信念と芸術を引き継ぎ、観客に深い感動を与えることでしょう。
公演情報
この歴史的な作品が、どのように日本で受け入れられるのか、期待に胸が高鳴ります。公式サイトでは、新しい情報やキャストのコメント動画も随時更新されているため、興味のある方はぜひチェックしてみてください。
公演情報
- - 横浜公演: 2025年5月31日〜6月14日、KAAT神奈川芸術劇場
- - 大阪公演: 2025年6月28日〜29日、フェスティバルホール
- - チケット: 一般発売中!
本作を通じて、ボウイの「魂」に触れる体験をお見逃しなく。