日本の伝統が息づく新たな作風
石川県に拠点を持つ陶磁器片ブランド「KAKERA」は、フランスで名高いパルファム ジバンシイとの特別なコラボレーションを発表しました。この取り組みは、震災の影響で失われた伝統技術を継承することを目指しており、九谷焼の陶磁器片を使用して誕生したプレートは、単なるフレグランスのトレーとしてだけでなく、アート作品としての美しさも兼ね備えています。
プレートのこだわりと制作背景
このプレートは、割れた陶磁器片を元に作られており、一つ一つが異なる表情を持っています。特に注目すべきは、輪島塗職人が手がけた金継ぎの技法を用いて、陶片の「欠け」や「傷」を美の一部として反映させたことです。これは、失われたものの価値を再確認し、新たな美のビジョンを提示するものです。
このプロジェクトは、2024年に発生した能登半島地震を契機に始まりました。ジバンシイの代表は、地元でのボランティア活動を通じて、その地域の伝統技術と職人たちの努力が如何にして形作られているかを目の当たりにしました。
「美しさは見えないところにこそ宿る」という考えのもと、裏面に施された漆の美しさも大切にしています。これにより、プレートは一つの作品として、さらなる魅力を発揮します。
商品詳細と特徴
このプロダクトは、セット内容として「ラ コレクション パルティキュリエ ド ジバンシイ(オーデパルファム)100mL×2」と共に販売される予定です。価格は税込78,760円で、2025年10月に発売が予定されています。販売場所は、特別なイベントが予定されている百貨店での展開となります。
KAKERAの理念
「KAKERA」は、単に捨てられたものを利用するのではなく、それらを新たな価値として生かすことを目指しています。割れた陶磁器片が持つストーリーをしっかりと反映させ、市場に新たな価値を提供し続ける姿勢がこのプロダクトには込められています。
ジバンシイの思い
「KAKERA」とのコラボレーションにおいて、ジバンシイは日本の職人技を以って、震災後の地域復興の象徴を創造することを選びました。この活動を通じて、より多くの人々に石川県の伝統とその現状を知ってもらい、支援へとつなげたいと願っています。また、彼らのプロダクトへの想いは、今後の日本の伝統工芸がもたらす新たな可能性を示唆しています。
最後に
日本の伝統とフランスのエレガンスが融合した「KAKERA」とジバンシイのコラボレーションによって、私たちが知っている美の概念が変わるかもしれません。このプレートはいわば、アートであり、実用品でもあります。今後の展開に注目しつつ、この美しい作品がもたらすメッセージを感じ取ること自体が、私たちの新たな感性を育む手助けになることでしょう。