大阪・関西万博での新しい多言語通訳システム「おもてなしガイド」
2025年に開催される大阪・関西万博において、画期的な音声通訳システム「おもてなしガイド」が、経済産業省の主催による福島復興展示でその機能が初めてお披露目されます。特に注目されているのは「通訳キャラクター」と呼ばれる新機能です。この機能は、多言語翻訳技術を駆使して、訪れる世界各国の観客とのコミュニケーションを円滑にサポートします。
通訳キャラクターの新機能
この「通訳キャラクター」は、インターネット接続が無くても使用できるため、非常に便利です。イベントや展示会場などで、スクリーンに表示されたキャラクターが通訳者の役割を果たし、異なる言語を話す人々が円滑にコミュニケーションを取れるよう手助けします。これにより、キャラクターは単なるアニメーションではなく、実際に場面でのコミュニケーションを促進する重要なツールとなっています。
キャラクターを用いた音声通訳だけでなく、テキストによる情報提供も可能なため、聴覚に障害のある人々にも配慮がなされています。今後、通訳機能を超えて対話型多言語応答などの機能拡張が計画されています。
有名キャラクターが参加
展示会では、音楽ソフトウェア「VOCALOID™」で知られるキャラクターたちが通訳者として登場します。具体的には「ZOLA Project」や「galaco」がスクリーン上でリアルタイムに多言語翻訳を行い、訪れた人々に楽しい体験を提供します。
多言語同時通訳ガイド
経済産業省が行うステージプログラムにおいても「おもてなしガイド」が活用され、多言語同時通訳ガイドが提供されます。登壇者のトーク内容は、会場スクリーンに日本語と英語でリアルタイムに表示され、外国からの訪問者や音声の聞き取りに不安を感じる方々が安心してイベントを楽しむことができます。
復興の思いを伝える
ヤマハは、「おもてなしガイド」を通じて震災地域の復興に寄与したいと考えています。経済産業省 福島復興推進グループの三牧純一郎室長は、「この展示を通じて、多くの人々に福島の現状を理解してもらう機会を提供したい」と述べています。「おもてなしガイド」は、国内防災の意識を高め、福島の復興に向けた人々の思いを伝える重要な役割を果たすことでしょう。
万博会場での利用
大阪・関西万博の会場内やパビリオンにおいても、「おもてなしガイド」が利用される予定です。特に、ショーやイベントと連動した音声ガイドが自動的に配信されることにより、外国からの来場者にもスムーズな情報提供が行われます。これは無償で提供され、来場者にとって非常にありがたいサービスとなっています。
例えば、アオと夜の虹のパレードなどの水上ショーでは、日本語と英語両方でのサポートが行われる予定です。参加者はQRコードを通じてスマートフォンからガイドを利用し、その場の情報をリアルタイムで取得することができます。
今後の展望
ヤマハは「おもてなしガイド」を通じて、国際化時代における多言語対応の重要性を再認識しています。音声のユニバーサルデザイン化を進めながら、さらなる技術革新を図り、より多くの国際的なイベントでの導入を目指しています。これにより、世界中から訪れる人々が、より楽しめる環境を整える努力を続けていくでしょう。
私たちのコミュニケーションの未来が、このように新たに開かれつつあることを、多くの人々に知っていただけたらと思います。そして、この新しい技術が、国内外での交流を深め、復興と共感の輪を広げる礎となることを期待しています。