OTBグループが発表した2025年度決算の概要
2026年2月17日、イタリア、ブレガンツァにて国際的なファッション&ラグジュアリーグループであるOTBが、2025年度通期の業績を公開しました。グループは、ディーゼルやジル サンダー、メゾン マルジェラなど、名だたるブランドを傘下に持つ企業で、その成長と市場での存在感が改めて確認されました。
主要業績指標と市場へ向けた取り組み
OTBグループの売上高は17億ユーロに達し、EBITDAは2億3,730万ユーロを記録しました。この数字は、純売上高比での15.1%という健全な数値を示しています。特に注目すべきは、メゾン マルジェラの成長で、8.4%の業績増加が記録され、グループ内での地位がさらに強固になっています。
厳しい経済環境や為替変動の影響があったにも関わらず、OTBグループは中東などの新規市場と北米などの既存市場での業績を伸ばし、将来的な成長基盤を確立しています。特に日本市場は、グループ全体の売上の27.4%を占めており、堅調な動きを見せています。
ただし、全体の純売上高の成長は課題が残る結果となり、前年対比で5%減少。しかし、これはメゾン マルジェラや地域(北米・中東)の成長があった反面、卸売チャネルでの厳しい状況が影響しています。
ブランドの成長と新たな施策
OTBの戦略には、新規出店・移転・閉店の合理化が重要な位置を占めており、実際に49店舗の新設と58店舗の閉店が行われました。この過程では、AI技術を取り入れることが強調され、業務効率化にも力が入れられています。また、ブランドごとのクリエイティブ・ディレクターの交代も注目され、メゾン マルジェラにグレン・マーティンス、ジル サンダーにシモーネ・ベロッティ、マルニにはメリル・ロッゲが新たに就任しました。
地域別戦略
アジア太平洋市場においてはガバナンスの変更があり、韓国市場が日本の統括下に移行しました。メキシコでは初の直営事業が始動し、カタールとクウェートではジョイントベンチャーの計画が進行中です。これにより、OTBは27カ国で事業を展開することになり、さらなる市場拡大が期待されます。
デジタルイノベーションとサステナビリティ
OTBグループはデジタルイノベーションとしてAIソリューションを業務に取り入れ、顧客体験の向上を図っています。また、ブロックチェーン技術の導入により、全製品にデジタル証明書を発行するなど、トレーサビリティ向上のための取り組みも積極的です。持続可能性においては、再生可能エネルギーの利用が80%以上に達するなど、環境への配慮が進んでいます。
OTBファウンデーションの社会貢献と今後の展望
OTBファウンデーションは、教育活動や緊急支援に注力し、次世代への取り組みを実施しています。特にいじめやジェンダーに基づく暴力の問題に対する支援が強調され、社会的影響を与える活動へとつなげています。
創業者であるレンツォ・ロッソの70歳の誕生日を迎える中、OTBは自身の成長戦略を再確認し、業界内での競争力を高める方向性を打ち出しています。フランス政府からもレジオン・ドヌール勲章が授与されるなど、その存在感が一層強まっています。
2025年は困難な年とされましたが、OTBグループは変革と成長を続け、これからもファッション業界でのリーダーシップを保持し続けることが期待されるでしょう。