着物文化とその保管の現状
私たちの身近にある着物。母や祖母から受け継がれた大切な品ですが、その多くが静かに眠っています。日本にはおよそ3,000万点の着物が存在すると言われ、大半の着物が「遊休資産」として保管されています。サステナビリティが重視される現代において、これらの着物をどう活用し、どう次世代に引き継いでいくかは、私たちにとっての大きな課題です。
アンケート結果から見る現実
最近、着物所有者188名を対象に行った調査によれば、84.6%が家に着物を保管しています。その中には、自分で購入したものだけでなく、両親や祖父母の着物も含まれています。しかし、多くの女性が直面しているのは、着物の管理や保管の難しさです。特にカビや虫食いの心配がある71.4%の人々にとって、これは大きな頭痛の種です。
整理を決断するきっかけとは
興味深いことに、整理を考えるきっかけの第一位は「親族との死別」で、多くの方がこのタイミングで初めて着物と向き合っています。実際、生前整理の重要性が理解されていても、実際に行動に移すことは難しいのが現実です。家の処分や引越しの際に、初めて大量の着物と対峙することになる方もいます。このような背景から、着物に特化したシェアリングサービスを提供する「KIMONO CLOSET」が誕生しました。
KIMONO CLOSETのご紹介
「KIMONO CLOSET」は、捨てずに着物を活かすための新しい選択肢です。以下がその特徴です。
- - 適切な管理:お預かりした着物を、虫干しや保管を行いながら適切に管理します。
- - シェアリング:所有権は残しつつ、借りたい人にシェアリングできます。着物がレンタルされるたびに、所有者にはレンタル料が支払われます。
- - 思い出の活用:母の着物を手放したくないが管理が難しいという方に最適な解決策を提供します。
どのように利用するのか?
ご利用はとても簡単です。専用の「着物回収袋」をウェブサイトから申し込み、着物を入れて返送するだけです。お預かり後、1点ずつ写真を撮り、マイページからいつでも確認可能です。料金は10点で2,200円からと、手軽に利用できる価格設定がされています。
サステナブルな未来への一歩
このサービスは、ただの保管ではなく、特別な日に誰かに着物が着用される喜びを感じてもらうことを目指しています。着物を所有したまま他の人に役立ててもらい、自らのスタイルで着物文化を次の世代へと引き継いでいくのです。
環境への取り組み
最近では、PLASTICITY社の廃ビニール傘を再利用した回収袋の導入により、環境にも配慮したサービスへと進化しています。使い捨て資材を削減し、持続可能な取り組みを推進しています。
さいごに
いま、日本に眠る着物たちを再び輝かせる時です。「KIMONO CLOSET」は、思い出を捨てることのない新たな選択肢を提供し、誰もが安心して大切な着物を残す、そして活用できる未来を築いていきます。