美容外科手術における静脈麻酔の実態と安全性
美容外科の発展は目覚ましく、特に手術における技術の向上が注目されています。特にTCB東京中央美容外科の松村圭祐医師が発表した論文「Safety Profile of 4,397 Consecutive Intravenous Sedations in Office-Based Esthetic Surgery」は、その中でも特に重要な内容を含んでいます。これは、4,397件もの静脈麻酔が行われた美容外科手術に関する研究であり、配信された国際学術誌「Aesthetic Plastic Surgery」に掲載されました。
研究の背景と目的
静脈麻酔(IVS)は、日帰りで行われる美容外科手術や他の外科系手術でも広く利用されていますが、その安全性に関するレポートは限られていました。本研究では、日本の美容外科クリニックにおいて、IVSの実状と周術期の安全性を体系的に評価することを目的とし、具体的には2020年から2024年までの期間中に静脈麻酔下で実施された症例を後方視的に検討しました。
研究方法
研究は、日本全国に展開するTCBクリニックで行われ、対象となったのはASA-PS分類I~IIの外来患者でした。第一選択薬にはプロポフォールが用いられ、卵・大豆アレルギーの患者にはミダゾラムが代替されました。手術中は心電図、非侵襲的血圧、SpO₂(アラーム閾値90%)などをモニタリングし、記録されたデータを分析しました。主要評価項目として気道確保や心停止といった重篤な合併症を追跡し、副次評価項目として術中の降圧薬投与や鎮静中止、覚醒遅延、予定外入院の有無も検討しました。
結果
調査の結果、全体で4,397件の静脈麻酔患者を対象に、高齢の患者が多く、中央値年齢は39歳で女性が89.7%を占めました。年間の症例数は2020年の41件から、2024年には1,753件にまで増加しました。重篤な心肺合併症は一例もなく、術中降圧薬を必要とした患者は4件(1.0%)、鎮静の任意中止が24件(0.55%)、30分以上の覚醒遅延は75件(1.7%)と報告されていますが、すべての患者は当日中に帰宅されたことが特徴です。
結論
研究結果から、TCBにおいてIVSを利用した美容外科手術は、安全性が高く、重篤な合併症の事例は確認できませんでした。IVSの適用は厳格に選定され、継続的な生体モニタリングも行われたことが、大きな要因として挙げられています。
今後はどういった研究が求められているのか、多施設での前向き研究や回復指標の標準化が必要とされています。美容外科手術における安全性向上は、患者にとっても医療提供者にとっても大きな関心事です。このような研究を通じて、美容外科手術がさらに安全で、より多くの人に支持されることを期待しています。
TCBの公式サイトでは、様々な美容外科手術の詳細や、松村医師の他の研究成果についても情報を提供しています。患者の「理想の自分」を追求するための第一歩として、ぜひTCBを訪れてみてはいかがでしょうか。