磯谷博史「回復」個展の魅力
2026年3月12日から5月17日まで、神奈川県のカスヤの森現代美術館で美術家・磯谷博史の個展「回復」が開催されます。本展では、「なおすこと」が「つくること」へとつながる再生の空間を提供し、新たな視点を私たちに与えてくれることでしょう。
磯谷博史について
磯谷博史は1978年に東京都で生まれ、東京藝術大学にて建築を学んだ後、同大学の大学院およびロンドン大学ゴールドスミス・カレッジで美術を学びました。彼の作品は、過去の静止した記録ではなく、観る者との共有による現在の出来事として表現されています。特に、彼の手法は過去と現在の間に新たな関係性を築くことに重きを置いています。
展示作品の紹介
本展では、磯谷の二つの主要作品シリーズが展示されます。一つ目は写真作品《パンゲアの破片》。この作品は、第二次世界大戦末期に破壊されたオーストリア・ロースドルフ城の陶磁器片をミルクに浮かべて撮影したものです。ここでのミルクは、破壊の過程を穏やかに包み込み、失われたものを再び呼び戻すための儀式的なエレメントとして機能しています。磯谷は、物理的な「修復」ではなく、分かたれたものの新たな関係性を見いだす「回復」を行っています。
二つ目の作品シリーズは《活性》。これは約5000年前の土器片を素材にした陶芸作品で、磯谷自身が収集したものです。原始の人々が日常で使用し、壊れてしまった断片を現代に戻し、新しい粘土と混ぜ込むことで、新たな焼成を行います。この過程で彼は、過去の創造性を現代に再配置し、静止していた知識を再び活性化させる姿勢を示します。
開催イベントも充実
初日の3月14日にはオープニング・パーティーが開催され、磯谷博史によるギャラリー・トークが行われます。また、4月11日には美術評論家の中尾拓哉をゲストに迎え、磯谷との対談も予定されています。この対談では、彼の表現を言語化することで、作品に対する理解を深める良い機会になるでしょう。
展覧会情報
- - 展覧会名: 磯谷博史「回復」
- - 会期: 2026年3月12日(木)- 5月17日(日)
- - 会場: カスヤの森現代美術館
- - 住所: 神奈川県横須賀市平作7-12-13
- - 開館時間: 10:00-17:30(入館は17:00まで)
- - 休館日: 月・火・水
- - 入館料: 一般 800円、学生 600円、小学生 400円
- - アクセス: JR横須賀線衣笠駅より徒歩15分
磯谷博史の展示は、過去と現在をつなぐ独自の視点が光輝く素晴らしい機会となることでしょう。美術に興味がある方はもちろん、再生や創造をテーマにした作品に触れてみたい方にもぴったりです。ぜひ、カスヤの森現代美術館を訪れてみてください。