株式会社しまむら(以下「しまむら」)が、2025年の第72期定時株主総会に向けて株主提案を行うことが発表されました。提案の背景や経営戦略について詳しく見ていきましょう。
1. 株主提案の概要
カタリスト投資顧問株式会社が、投資助言を行う国内の投資信託を通じ、しまむらに対して新しい株主提案を行うことを明らかにしました。これにより、しまむらは投資家への配当を見直し、キャッシュフローの活用に向けた具体的な行動を示すことを目指しています。
2. しまむらの成長と経営状況
しまむらは、優れたビジネスモデルを通じて無形の競争優位性を築いており、安定した成長を続けています。会社は高いキャッシュフローを維持しており、最近の経営報告によれば、売上高の5カ月分に相当する560億円の手元資金を保有しているとのこと。これを踏まえ、過剰な現金水準を見直す必要があります。
3. 提案内容の詳細
株主提案では、配当性向60%の実現と自己株式取得が提案されています。具体的には、年間240億円の配当を目指し、さらには160億円相当の自己株式取得を行うことで、株主への還元を強化する方針です。この提案は、現行の株主還元計画を見直す重要なステップといえます。
4. 経営陣との対話
しまむらの経営陣は、2027年に向けた中期経営計画の中で高いROE(自己資本利益率)を目指すものであり、最終的にはROE9.0%を達成する目標を掲げています。しかし、実際の株主還元は450億円にとどまる見込みであり、ここに株主提案が影響を与えることが期待されています。
5. 今後の展望
この株主提案が通ることで、しまむらは資本政策の新たな道を切り開くことができるでしょう。投資家や市場の期待に応える形で、経営陣が慎重に資本配分を行うことが重要であり、このことが企業価値の向上につながると期待されています。
まとめ
しまむらの株主提案は、配当や株主還元の強化を通じて、企業の経営基盤を一層強固にする可能性を秘めています。また、経営陣が積極的に市場の声に応える姿勢が、企業の進化を促す重要な要因と言えるでしょう。今後の動向に注目していきましょう。