腸内環境を整える「腸活弁当」研究の全貌
摂南大学と株式会社プリメディカは共同で、「食物繊維豊富な腸活弁当」が腸内細菌叢に与える影響を調査しました。この研究は、日常的に取り組みやすい腸活を提案することを目的としており、特に食物繊維を通じて腸内環境の改善を目指しています。
研究の背景と目的
本研究では、腸活の推進のために1食を高食物繊維の食事に置き換えた場合、腸内フローラが変化するのか、また、平日のみ取り組むことで効果が期待できるかを検証しました。
腸活は一般的に「毎日・毎食」という前提があるため、継続が難しい方も多いのが実情。本研究では、昼食のみに特化し、腸内フローラへの影響を探ったのです。
研究の概要
実施期間は2024年11月11日から12月20日で、対象者は摂南大学の職員と院生、計50名です。参加者は食物繊維が豊富な腸活弁当を週5回、6週間摂取し、その前後で腸内細菌叢の測定、食事記録、体感アンケートを実施しました。この腸活弁当には、12種類が用意されており、各食あたり7~9gの食物繊維を含んでいます。
体感的な効果
参加者のアンケート結果によると、49名中41名が腸活弁当による体感的な変化を実感されたと回答しました。主な内容は以下の通りです。
- - 快便:25名
- - 快眠:8名
- - 肌質改善:4名
- - 疲労感軽減:4名
「腸活弁当を食べるようになって2週間で快便になった」との声や、「思ったより美味しく、続けやすい」との反応がありました。これらのフィードバックは、腸活弁当が従来の腸活のイメージを変える可能性を示唆しています。
腸内フローラの変化
更に、腸内フローラの解析結果によれば、健康なエンテロタイプを持つ97%の被験者は、摂取後もその状態を維持しました。また、健康に改善が必要なエンテロタイプの被験者のうち、5名が良好なエンテロタイプへ変化を見せました。
研究から得られた新たな示唆
- - 食物繊維を意識的に摂取することで、1食だけでも腸内フローラに変化が見られる可能性がある。
- - 定期的に腸に良い食材を摂取することが重要で、毎日でなくても週4〜5日の取り組みが効果的。
- - 効果を実感するまでの期間は人によって異なるが、約2週間で変化が感じられることが多い。
共同研究者のコメント
摂南大学の井上亮教授は、「1食を意識するだけで腸活に効果があることを証明できたことは有意義です」とコメント。研究を通じて、参加者が食生活の気づきを得られたことも評価されています。
今後の展望
本研究成果を学術論文として発表を目指し、更なる解析を行う予定です。腸内フローラ検査サービス「Flora Scan®」も引き続き注目されています。このサービスは、腸内フローラの多様性を評価し、健康をサポートします。
この研究を通じて、日常の食生活の改善によって腸内環境を整えるヒントが得られることでしょう。腸活のスタイルを見直す機会として、多くの人に知ってもらいたい研究です。