環境再生をリードするシーベジタブルの挑戦
合同会社シーベジタブルが2025年度の「NIKKEIブルーオーシャン大賞」で審査員特別賞を受賞しました。この賞は海洋環境の保全や持続可能な水産資源の利用を促進する企業や団体の取り組みを表彰するもので、シーベジタブルの海藻の生産技術が高く評価されました。地球環境を守るため、海藻を活用した循環型モデルを推進するシーベジタブルの取組みについて、ご紹介します。
NIKKEIブルーオーシャン大賞とは
「NIKKEIブルーオーシャン大賞」は、日本経済新聞社と日経BPが主催しており、海洋環境の回復に寄与する取り組みを行う企業や自治体、団体、個人を対象にした表彰制度です。審査は、社会を変える市場性、協調性と体制、発展性と成長性の3つの観点から行われ、特に海洋環境への貢献度が重要視されています。
シーベジタブルの海藻栽培技術
シーベジタブルは、海藻の種苗生産と量産技術を革新し、企業や地域の未来を支えることを目指しています。これまで存在しなかった10種類以上の海藻の量産に成功し、各地の自治体や漁業者と協力しながら新たな海藻産地の創出にも尽力しています。
同社のラボでは、100種類以上の海藻が保管されており、うち30種類以上については独自に種苗生産技術を確立しています。50年にもわたり海藻の研究に携わってきた専門家や、種苗培養、水質分析のエキスパートが集結し、分野を超えた研究が行われています。
特に注目されるのは、2016年に成功した地下海水を利用した青のりの陸上栽培と、2020年から開始された海面栽培です。これにより、海の環境を想定した新たな生産方法が確立されています。
地域の再生に向けた取り組み
シーベジタブルは全国各地で企業や自治体と連携し、海藻栽培の実証実験を行っています。例えば、海藻を活用した養殖藻場の造成や、陸上栽培に基づく新規生産方法の開発が進められており、地域の自然や産業の特徴に応じたプロジェクトが展開されています。これらの取り組みを通じて、海の生態系の回復や持続可能な地域づくりを目指しています。
さらに、「企業版ふるさと納税」を活用した海藻栽培にも取り組み、地域と海の未来を共に育むために企業や研究機関と共働しています。
SEA VEGETABLE Co-Creation Project 2025
シーベジタブルは、「海藻を基盤とした事業創出」と、そこから生まれる「海からのネイチャーポジティブ」をテーマにした共創プロジェクト「SEA VEGETABLE Co-Creation Project」を実施しています。このプロジェクトは、企業と連携し、海藻を通じて新たな食文化の創造を目指すものです。
2024年からの第2期生の募集を12月より開始予定ですので、詳細はシーベジタブルのWebサイトをチェックしてください。
まとめ
シーベジタブルは、研究者から料理人まで、幅広い分野の専門家が結集して、海藻を用いた持続可能な社会の実現に向けて活動しています。海藻の魅力を最大限に引き出す新たな食文化を築くことで、世界中の海洋環境保全に貢献する姿勢を見せています。この取組みが未来の地域社会や食文化にどのように影響を与えるのか、今後の展開が楽しみです。