ポール・モーリア生誕100周年記念コンサート
7月31日、東京国際フォーラムで特別なコンサートが開催されました。これはイージーリスニング界の巨星、ポール・モーリアの生誕100周年を祝うもので、その名も『ポール・モーリア「ラヴ・サウンズ」オーケストラ』です。
ポール・モーリアは、「恋はみずいろ」や「オリーブの首飾り」などの名曲を世に送り出し続け、日本でも約1000回ものコンサートを成功させた音楽の巨匠です。彼の音楽は多くの人々に愛され、今でも絶大な人気を誇ります。今回のコンサートはオリジナル・スコアだけを使用し、ポール・モーリアを心から愛するファンにとって、特別な意味を持つものでした。
この公演の指揮は、ポール・モーリアのスタイルを受け継ぐ佐々木新平氏が務め、会場には「ラヴ・サウンズ」に集う日本のトップミュージシャンが結集しました。開演時刻の13時、ポール・モーリアの人生を振り返る映像が流れると、期待感が会場を包み込みます。その後、「オープニング」から始まり、「涙のトッカータ」、「愛の信条」と続き、たちまち会場はモーリアの音楽に浸りました。
司会を務めた笠井信輔氏は、この公演がただのメモリアルではないことを強調し、関係者の熱意や努力について語りました。イレーヌ夫人も公演に賛同し、特別な許可を与えたことも明かされました。残念ながら、イレーヌ夫人は今年4月に100歳で亡くなりましたが、笠井氏は彼女がポールとともに天国からこのコンサートを見守っているだろうと語り、参加者に感謝の意を伝えました。
第一部では、「そよ風のメヌエット」や「メロディ・フェア〜小さな恋のメロディ」といったモーリアの名曲が次々と演奏され、始まったばかりのコンサートの魅力に観客も心を奪われていました。
第二部に入ると、指揮者佐々木氏の幼少期の写真が映し出され、続いて「セブン・シーズ」が奏でられました。佐々木氏の衣装がポール・モーリア自身のものであることが告げられ、それに込められた思いが会場の雰囲気をさらに深めました。
特にアコーディオン奏者の田ノ岡三郎氏が登場したメドレー「パリとアコーディオン」は感動を呼び起こしました。その後も「エーゲ海の真珠」や「恋はみずいろ」といったお馴染みの曲が演奏され、会場は大きな拍手で包まれました。アンコールでは「オリーブの首飾り」が演奏され、最後まで観客の心を掴む素晴らしい演出となりました。
公演の終了後、笠井氏は「華麗なる“ポール・モーリア”サウンドがこの日本に蘇りました。懐かしさとともに、新しい魅力を若い世代にも感じていただけたのではないでしょうか」と感想を述べ、再び音楽の素晴らしさを強調しました。この特別なコンサートは、ポール・モーリアの音楽が持つ力を再確認させる貴重な時間でした。
また、会場ではコンサートのパンフレットが販売されており、演奏曲目や解説が掲載されています。100周年の記念として、ぜひ手に入れたい一冊です。
このコンサートは、7月31日の他に、同日17時30分の追加公演や、8月1日の公演も予定されています。また、8月17日には大阪・フェスティバルホールでの公演も控えており、さらなる音楽の魅力が全国のファンに届けられることでしょう。