30～50代女性の「オーダースーツ」市場に潜む可能性とニーズを探る

30～50代女性のオーダースーツ市場に潜む可能性とニーズを探る

最近、株式会社光文社が実施した女性向け雑誌『CLASSY.』、『VERY』、『STORY』の共同調査が注目を集めています。この調査は、30～50代の女性1643名を対象にオーダースーツに関する意見を集めたもの。結果、オーダースーツに関しては予想以上に見過ごされている側面が明らかになりました。

オーダースーツ購入経験はわずか14〜16%

調査によると、オーダースーツを実際に購入したことがある女性はわずか14%から16%という低い数字に留まっています。これは、オーダースーツがまだ一般的な選択肢となっていないことを示しています。この背後には、オーダースーツに対する情報不足や不安感が影響していると考えられます。

価格への不安と情報不足

調査結果では、約80%の女性が「オーダーメイドは高価格で手が出ない」と感じていると回答。また、約30%の女性が「どこで購入すれば良いのかわからない」との声を上げています。さらに、「オーダースーツはそもそも必要ない」と考える女性も多く、既製品で十分という意見が35%から37%に上りました。

これらの結果は、オーダースーツに対するネガティブな印象や不安要素が根強く残っていることを示しています。特に、オーダースーツが男性向けの商品であるというステレオタイプも影響しているでしょう。

自分に似合うサイズとデザインを求める声

一方で、オーダースーツを検討する女性の中には、自分の体型に合ったサイズやフィット感を重視する声が多く聞かれます。調査では、購入時に重視したいポイントとして「サイズやフィット感の正確さ」がトップに挙げられています。スーツは重要なビジネスの一部であり、特に自分のサイズに合ったものを着用することが求められています。

例えば、『CLASSY.』では83.4%の女性がサイズ感を重視すると回答。これに対し、『VERY』や『STORY』でも高い支持を得ています。オーダースーツの利点は、まさにこの「フィット感」にあると言えそうです。

ビジネスシーンとライフイベントでのニーズ

オーダースーツは、実はビジネスだけでなく、人生の節目で必要なアイテムでもあります。例えば、転職や昇進、卒入学、また子どもの受験などの重要なシーンでスーツを新調しようとする女性が多くいます。これらの目的で購入を希望する人は、各誌で51%近くに達しました。

特に『VERY』ではママ層から、卒入園などの式典でのニーズが高まっており、フォーマルな服の需要が根強いことが伺えます。

女性向けオーダースーツ市場の伸びしろ

光文社の担当者によると、オーダースーツ市場には大きな伸びしろがあると考えています。既製品では得られない、自分だけのフィット感やデザインを求める女性たちが多く存在するため、情報発信を強化する必要があると指摘されています。

逆に、オーダースーツが適正な価格で提供されているブランドも増えてきており、これを知ることで多くの女性が手に取りやすくなるでしょう。特に子育てやライフステージの変化が多い30～50代の女性にとって、オーダースーツは自分自身を表現する大切なアイテムとなる可能性があります。