資生堂が明らかにした敏感肌の新しいメカニズム
敏感肌に悩む多くの人々にとって、日常のスキンケアは心配の種です。そんな中、資生堂が東京大学の研究者と共同で行った研究が、新たな希望の光をもたらしました。最近の研究において、敏感肌には健康な肌に必須の表皮ブドウ球菌の生育を抑制する特別なアクネ菌が多く存在していることが発見されたのです。この研究により、敏感肌の本質に迫る新たなアプローチが見つかるかもしれません。
研究の背景と目的
資生堂は、これまでの50年以上にわたり、敏感肌に関する研究を続けてきました。肌の状態、身体的な健康、心のバランスを考慮しながら、敏感肌の根本原因を探ることで、より多くの人々のストレスを軽減し、理想的な肌を実現しようとしています。今回の研究では、敏感肌とアクネ菌、表皮ブドウ球菌のバランスに注目し、その不足やアンバランスな状態が原因であることを突き止めました。
抑制菌の発見
全ゲノムショットガン解析法を使用して、敏感肌の皮膚常在菌叢の遺伝子配列の解読を進めた結果、特定のアクネ菌が、表皮ブドウ球菌の生育を妨げる抗菌ペプチドを生産していることが判明しました。このアクネ菌は「阻害菌」と呼ばれ、敏感肌の特徴として、表皮ブドウ球菌が少なくなり、その数が非敏感肌よりも大幅に低下していることがわかりました。
微生物由来エキスの発見
この研究の成果に基づいて、資生堂は阻害菌を特異的に抑制し、表皮ブドウ球菌を育てやすくする微生物由来のエキスを発見しました。このエキスは、敏感肌を支えるアクネ菌の生育はそのままにしつつ、健康な肌に必要な菌のバランスを整えることが期待されています。今後、この新発見は敏感肌向けのスキンケア製品に応用される予定です。
資生堂のR&D戦略
資生堂は、イノベーションを推進する「DYNAMIC HARMONY」という理念のもと、スキンケア技術の向上に努めています。これにより、健康で美しい肌を実現する製品の開発を進めています。また、オープンイノベーションにより、さまざまな外部機関との連携を強化し、革新的な研究を続けています。
今回の研究を通じて、敏感肌の原因にアプローチする一歩を踏み出し、より多くの人々に寄り添ったスキンケアソリューションを提供することを目指しています。これからの資生堂のさらなる展開に期待が寄せられます。