伝統工芸をファッションへ — ALISA有紗の挑戦
株式会社Artisansが展開するラグジュアリーアパレルブランド「ALISA有紗」が、東京都が主催する女性ベンチャー成長促進事業「APT Women」の第10期生として採択されました。このプログラムは、女性起業家を支援し、国内外での成長を後押しするものです。
ALISA有紗とは
ALISA有紗は、日本の伝統工芸を生かしたアイテムを提供するブランドです。京友禅工房や日本画作家とのコラボレーションにより、着物ローブ、パジャマセットアップ、枕カバーなど、伝統的な技術を取り入れた現代的でラグジュアリーな商品群を展開しています。主に国内の高級ホテルや個人のお客様に向けて、その美しさや文化的背景を届けています。
文化と生活の融合
代表取締役の山脇有紗さんは、香港駐在の経験を経て、自身のルーツである日本の文化や歴史に向き合うことになったと語ります。彼女は着物の着付けを学び、その魅力に心を奪われ、「自分は千年以上続く文化の延長線上にいる」という感覚を実感しました。これは彼女にとって日々の喜びとなるものであり、その思いをもとにALISAを立ち上げました。
日本の伝統工芸の未来
しかし、日本の呉服市場は縮小し、伝統産業は高齢化や担い手不足といった課題に直面しています。ALISAはこうした問題を受け、呉服産業を現代のラグジュアリーアパレルへと進化させることを目指しています。日本の職人技を世界的に知らしめ、持続可能なものづくりを通じて、日本の芸術や伝統を未来に繋いでいくことが、その主要な目標です。
APT Womenにおける新たなステップ
APT Womenは、女性起業家がグローバルに活躍するためのサポートを提供しており、ALISAのような企業もその一環です。3か月間の集中支援プログラムでは、メンタリングや資金調達のサポートが行われ、さらにネットワーキングの機会も提供されます。また、海外派遣プログラムを通じて、シンガポールやニューヨークへの展開支援も行われます。
このプログラムに参加することで、ALISAは高級ホテルや百貨店との協業を強化し、さらにインバウンド観光を背景にした体験型サービスへの取り組みを進めていく予定です。
未来の展望
「伝統を再定義し、持続可能なものづくりを通して日本の芸術と技を未来へつなぐ」という理念のもと、ALISAはまさに新たな時代の扉を開こうとしています。伝統的な着物文化だけでなく、より広範囲で自由な形で日本のものづくりを世界に届けることが目標です。
私たちが愛する日本文化を、もっと多くの人に、もっと気軽に手に取ってもらえるよう、日々努力しているALISA有紗の今後が楽しみです。日本の職人たちが手掛けるラグジュアリーなアイテムを通じて、私たちは伝統と革新が交わる新たな価値を見出すことができるのです。