リージョナルフィッシュが新たな資金調達を実施
京都に本社を構えるリージョナルフィッシュ株式会社は、シリーズCラウンドにおいて約40億円の資金調達を成功させました。この資金調達には、既存株主の中信ベンチャーキャピタルやSMBCベンチャーキャピタル、CBCに加えて、セブン-イレブン・ジャパンや大和ハウスベンチャーズ、Mizkan、崎陽軒、ヨシコン、いよぎんキャピタルなどの新規株主も参加しています。
資金調達の背景
世界的な温暖化の影響により、海水温の上昇が進んでいます。この現象は漁業に大きな影響を及ぼしており、従来の漁場での漁獲量が減少したり、従来の養殖魚が育たなくなるリスクを引き起こしています。リージョナルフィッシュは、この問題に対して高温耐性を持つ魚種の開発に取り組み、そのための品種改良を進めていく方針です。
今回のシリーズCファイナンスにおいて調達した資金は、高温耐性を持つ品種の研究開発や生産体制の強化、さらなる研究開発の加速に充てられます。具体的には、品種改良の開発と量産化、さらに人材の採用も視野に入れています。
パートナーとのシナジー効果
リージョナルフィッシュは、アカデミアや水産事業者、企業、行政、金融機関など、多様なパートナーとの連携を強化してきました。このオープンイノベーションによる連携は、水産業の変革に向けた重要な一歩となります。特に今回資金調達に賛同した企業との連携によって、川上から川下までの一層の相乗効果を図っていく方針です。
リージョナルフィッシュとは
リージョナルフィッシュは、京都大学大学院農学研究科の木下政人准教授と近畿大学水産研究所の家戸敬太郎教授が共同で開発した技術から生まれたスタートアップです。同社はオープンイノベーションを駆使し、高速な品種改良とスマート養殖を融合させた次世代の水産養殖システムを創出しています。これにより、食料不足や海洋汚染といった課題に対しても積極的に取り組み、持続可能な水産業の実現を目指しています。
2021年には、世界初のゲノム編集動物食品である可食部増量マダイ「22世紀鯛」をはじめ、高成長を誇るトラフグやヒラメも市場に送り出しています。これらの成果は、高温耐性を持つ魚種の開発にもつながると期待されています。
未来に向けた挑戦
リージョナルフィッシュの取り組みは、SDGsにもつながる重要な事業です。飢餓をゼロにするためのタンパク質不足の解消や、日本の水産業の再興、海洋環境の保護など、持続可能な未来に向けた挑戦が始まっています。今後も進展が期待される水産分野の革新に、ぜひご注目ください。