米糠成分の皮膚透過研究が美容効果の可能性を示唆

米糠成分の新たな研究成果

最近、築野グループ株式会社が米糠から抽出した成分について、皮膚透過性に関する研究を発表しました。この研究は、日本化粧品技術者会誌に掲載され、美容業界に大きな注目を集めています。米糠由来の成分には「フェルラ酸」、「イノシトール」、「γ-オリザノール」があり、これらがどれだけ皮膚を透過するかが評価されました。

皮膚透過性の評価

研究では、ヒトの皮膚組織を使用し、拡散セル装置を用いて各成分がどれだけ真皮側に浸透するかを測定しました。それぞれ1%配合された化粧品製剤を作成し、皮膚の表皮側に添加後、真皮側にどの程度成分が移行したかを確認したのです。

調査の結果、フェルラ酸、イノシトール、γ-オリザノールのすべてが真皮側で検出され、皮膚組織を透過することが確認されました。特に、フェルラ酸は他の成分と比べても高い皮膚透過性を示し、6時間以内の累積透過量が最も多かったのです。この結果は、米糠由来成分が皮膚表面を越えて、実際に体内に作用する可能性を示唆しています。

米糠の魅力と事業の背景

築野グループは、長年にわたり米糠の成分に注目し、その有効利用を推進しています。米糠は精米時に発生する副産物で、一般には捨てられてしまう部分ですが、これを有効に活用することで、食品や医療、化粧品など多様な分野に貢献しています。

同社の研究によると、米糠由来成分を含む化粧品は美容効果が期待されるだけでなく、皮膚細胞に優れた影響を与えることが次々に明らかになっています。特に、フェルラ酸は抗酸化作用を持ち、皮膚の若返りや健康維持にプラスの効果が期待されています。

未来に向けた取り組み

築野グループは、今後も米糠の利用を進めることで環境への配慮と持続可能な発展を目指しています。米糠を活用することで、地球、農業生産者、そして消費者にとっての良い循環を築いていく考えです。古来より健康や美の象徴とされてきた米糠の知恵を活かして、これからの美容産業に新しい風を吹き込むことを期待しています。