肖像権の現状と課題
2026-06-25 16:06:49

生成AI時代の肖像権保護の現状と課題について考える

生成AI時代の肖像権保護の現状と課題について考える



はじめに


近年、生成AIが急速に普及し、多くの分野で影響を及ぼしています。その一方で、SNSを通じた肖像権やパブリシティ権の侵害がますます深刻化しています。特定非営利活動法人 肖像パブリシティ権擁護監視機構は、2025年度におけるこれらの侵害疑義事案の実態を調査しました。今回は、その結果と、今後どのように対応していくべきかを考察します。

調査概要


2025年度の調査は、生成AIが関与する肖像権やパブリシティ権の侵害に焦点を当て、その実態を把握することを目的としました。調査の期間は2025年4月から2026年3月まで。調査対象は、主要SNS(TikTok、X、YouTube)や画像生成AIプラットフォームでした。

特に最近では、SNS上での肖像や声の無断利用が広がり、多様な手法が模索されています。例えば、ある企業が行った調査では、侵害疑義の投稿件数が延べ4万件に達し、それらの投稿は約3.35億回も閲覧されています。

侵害の実態とモニタリング


調査の結果、無断で作成された肖像画像のモデル(LoRAなど)が存在し、これによって著名人の肖像が無許可で利用される事案が多数報告されています。但し、こうした侵害が常態化している中、単に削除を行うだけでは問題が解決しないことが浮き彫りとなりました。削除後も新たなモデルが次々に投稿されており、定期的な監視体制の必要性が強調されました。

例えば、ある俳優の画像を使ったモデルについては、すべて削除することに成功しましたが、再発率が高いという事実は変わりません。今後は、迅速な対応を行うための仕組みを整備していくことが求められています。

経済的損失の試算


調査を通じて経済的損失も試算されました。主要SNS上での肖像権侵害による損失は約20億から45億円という試算が出されており、これはあくまで可視化できた範囲の一部でしかありません。無許可商品の流通や記録に残らない投稿、再投稿などの影響は考慮されていないからです。

この試算は、影響が計り知れないことを示しています。業界全体で今後、どのように対応していくのかが問われています。

業界の認識の実態


174社の事務所へのアンケート結果からも、侵害疑義事案についての認識が深まっていない現実が明らかになりました。特に、侵害事案を「すべて把握」または「概ね把握」していると回答したのはわずか28%にとどまりました。また、約52%が対応ガイドラインを「検討中」とし、業界全体での指針が求められています。

結論


生成AIと肖像権、パブリシティ権の問題は、まだまだ発展途上です。最前線には多くの課題が存在しますが、業界全体の健全な発展のためには、引き続き実態調査を進め、意識の向上を図ることが必須です。今後も、新たな取り組みによってこの問題に対処し、声優やアイドルなどの権利保護へとつなげていく必要があります。

お問い合わせ


本調査はIPFORWARDグループのIPconnect株式会社によって実施され、詳細については同社の公式ウェブサイトをご覧いただければと思います。


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