ラクトフェリンがのどの免疫細胞を活性化!新たな健康のカギを発見
森永乳業は、乳タンパク質の一つであるラクトフェリンの研究において新たな成果を上げました。それは、ラクトフェリンが「のど」にある免疫細胞のリーダーであるプラズマサイトイド樹状細胞(pDC)を活性化することを確認したというものです。この研究は旭川医科大学の髙原幹教授との共同研究によるもので、食品成分としては世界初の発見となります。この結果は、2026年3月6日に国際科学雑誌「International Journal of Molecular Sciences」に掲載されました。
研究の背景
ラクトフェリンは乳製品だけでなく、涙、鼻水、唾液などの外分泌液にも含まれており、私たちの体を多方面から保護する役割を担っています。様々な研究から、経口での摂取が呼吸器や胃腸の不調を軽減することが示されています。しかし、これまでラクトフェリンがどのように免疫細胞に影響を与えているか、特に「のど」部分での作用はあまり知られていませんでした。
そこで、研究者たちは口蓋扁桃に焦点を当て、ラクトフェリンがこの部位にあるpDCをどのように活性化するのかを探求しました。pDCは免疫系の主要な司令塔であり、感染症やウイルスに対抗するために重要な役割を果たします。
研究方法
本研究では、習慣性扁桃炎により摘出された口蓋扁桃から免疫細胞を調整し、牛乳由来のラクトフェリンと共に培養しました。その結果、各免疫細胞の活性化が評価されました。
研究結果
1. プラズマサイトイド樹状細胞(pDC)の活性化
ラクトフェリンはpDCの活性指標であるHLA-DRやCD86の発現を増加させ、免疫物質であるインターフェロン(IFN)-αの産生を促進しました。IFN-αはウイルス感染を抑制する作用があり、pDCを活性化することでその効果を発揮します。これにより、呼吸器へのウイルス感染を防ぐ可能性が示唆されています。
2. B細胞およびキラーT細胞の活性化
さらに、ラクトフェリンはB細胞のIgA産生も促進しました。IgAは粘膜での感染防御に重要な役割を果たします。また、キラーT細胞の活性指標であるCD69の発現も促進され、ウイルスに感染した細胞の殺傷能力が高まることが確認されました。つまり、ラクトフェリンを通じてこれらの免疫細胞が活性化され、効果的に感染症に対抗することが期待されます。
まとめと展望
ラクトフェリンがのどに存在するpDC、B細胞、キラーT細胞を活性化することが示されたこの研究は、食品成分が体内の免疫系をどのように調整し、健康を維持するかを理解するうえで非常に重要です。さらに、この成果は食品成分が実際に研究され、効果が確認された初のケースとして、その意義は大きいと言えます。
今後も森永乳業はラクトフェリンの可能性を探求し、人々の健康維持に貢献するための研究を続けていきます。ラクトフェリンが私たちの生活においてどのような役割を果たすのか、今後の動向に注目です。