パン屋の復活！コスト高を乗り越え黒字化を実現する秘訣

近年、原材料や人件費、エネルギーコストの高騰を背景に、パン屋の倒産が急増していました。しかし、2025年においては倒産件数が前年から40%も減少し、これは業界にとって明るい展望を示しています。

コスト高の影響

近年続いた「三重苦」により、多くのパン屋が厳しい状況にあります。特に、食パンや総菜パンの主原料となる小麦の価格上昇、そして包装資材の高騰は、パンの原価を圧迫しています。そして、店舗スタッフの人件費やエネルギーコストも影響を及ぼしています。このような環境の中でも、消費者がパン食を選ぶ理由が変わってきました。

パン食需要のシフト

コメ価格が高騰する中で、主食の代替として手頃な価格の総菜パンや菓子パンの需要が高まり、パンの消費が活発化しています。最近の調査では、2人以上の世帯におけるパン消費額が日々114円に上り、特に調理パンの需要が増加しています。この変化が、パン屋にとって追い風となる要因の一つです。

SNSの活用が鍵

また、インバウンド需要の復活やSNSの活用により、パン屋は新たな顧客層を獲得するチャンスを得ました。InstagramやFacebook等で自店の特長を発信することによって、消費者との接点を増やし、リピーターを増やすことに成功しています。このように、新規参入のパン屋も頑張れる環境が整いつつあるのです。

経営改善の工夫

多くのパン屋が、価格設定に工夫を凝らしています。主食パンは手ごろな価格を維持しつつ、国産原料や独自のストーリーを持つパンには、付加価値をつけているのです。このような戦略により、2024年度には4割以上が増益、7割が黒字という好成績を収めています。過去10年で見ても、この黒字率は2016年度以来の高水準に達しました。