新日本製薬と名古屋大学が共同研究で見出したスキンケア革新技術とは

新日本製薬と名古屋大学の共同研究が導いたスキンケア革新

新日本製薬株式会社が名古屋大学と合同会社BeCellBarと共同で行った研究が、スキンケアの分野での新たな技術革新をもたらしました。この研究では、タイトジャンクション（TJ）という皮膚のバリア機能が成分の浸透に与える影響を探求し、その効果を特定しました。

タイトジャンクションとは？

タイトジャンクションは、皮膚の最表面に位置する角質層下部の顆粒層に存在し、細胞同士を結びつける重要な役割を果たしています。この構造は、皮膚の水分を蒸発させず、外部からの異物が侵入しないようにするためのバリア機能を提供しています。その一方、バリア機能が強すぎると、スキンケア成分が皮膚に浸透するのを阻害してしまうという問題も抱えています。

研究の背景と目的

新日本製薬は、美しい肌を維持するためにはバリア機能を向上させ、成分の効果的な浸透が不可欠であると考えています。この研究の目的は、細胞同士の接着を一時的に緩和し、成分の浸透を促進する新しい有用成分を見つけることです。

研究結果と新技術の発見

新日本製薬は、数十種類の成分を用いて、分化誘導したヒト表皮角化細胞（NHEK）のタイトジャンクションにおける変化を検証しました。すると、特に「フェルラ酸」と「センブリエキス」がタイトジャンクションの緩和に寄与し、皮膚への成分の透過を促進することが明らかになりました。この結果は、特許7741564号として登録されました。

フェルラ酸とセンブリエキスの効果

これらの成分は、それぞれ異なる働きで皮膚への浸透を助けます。フェルラ酸は、米ぬかから抽出されたポリフェノールで、抗酸化作用が強く、メラニン生成抑制や紫外線吸収、抗炎症に効果があることで知られています。一方、センブリエキスは、日本の伝統的な薬草で、血行促進や肌荒れの改善に寄与します。これらの成分を用いることで、スキンケアの効果を最大化することが期待されています。

今後の展望と活用

新日本製薬は、この研究結果をもとに、自社のスキンケアブランド『パーフェクトワン』や『パーフェクトワンフォーカス』に新技術を活用していく予定です。この技術を通じて、より効果的なスキンケア製品を提供し、消費者の期待に応えていく方針です。今後も大学や他の企業と連携し、新素材の研究を進めていくことが予想されます。

まとめ

新日本製薬が名古屋大学と共同で実施した研究は、タイトジャンクションを緩和することでスキンケア成分の浸透を促進する新たな道を開きました。この新技術の導入は、より効果的なスキンケアを可能にするとともに、消費者に新しい価値を提供することが期待されます。

今後も私たちの肌にとって有益な成分が続々と登場することを楽しみにしています。