福島鰹が挑む、AIとのコラボレーション
日本の伝統的な食文化の中で、“だし”は欠かせない存在です。しかし、近年は家庭でのだしの取り方が難しいと感じる人が増えています。ここに目をつけたのが、創業100年を誇る福島鰹株式会社です。彼らは、家庭で手軽にだしを楽しむためのAIチャットボット「だしAI」を開発しました。このツールは、福島鰹の公式ECサイト「だしナビ」で2025年4月から一般公開される予定です。
だしAIの誕生背景
福島鰹は、業務用のだし製品を長年にわたり提供してきましたが、コロナ禍の影響で一般消費者向けのEC販売を強化し始めました。この際、だしの品質を評価してもらう実績が増えていく中で、消費者が「だしは難しそう」と感じる課題に直面しました。それを解決するために「だしAI」が生まれたのです。
AIを活用することで、ユーザーは日常の中で感じる「だしの選び方」や「使い方」に関する悩みを即座に解決できるようになります。導入した「Dify」という生成AIプラットフォームを用いて、福島鰹の豊富な知識を活かしながら短期間での開発を実現しました。
日常の中でのだしの活用法
「だしAI」の利用法は多彩で、ユーザーが直面する疑問にリアルタイムで答えます。また、冷蔵庫にある材料を入力することで、だしを使用したレシピを提案する機能も搭載されています。この機能を使うことで、かつてのだし文化を家庭で再び楽しむきっかけを作り出します。
福島鰹代表の思いと未来のビジョン
福島鰹の代表取締役社長、福島武彦氏は「だしをもっと身近なものにしたい」という想いを持っており、このAIツールが家庭の食卓に新たな価値をもたらすことを期待しています。今後は、だしを知らない人にも親しんでもらえるようなサービスを展開していくとのことです。また、だしAIを通じて、和食文化の普及にも大きなビジョンを掲げています。
開発パートナー80&Companyの視点
「だしAI」の開発を担当した80&Companyも、自社のエキスパートを活かしてプロジェクトを推進しました。エグゼクティブパートナーの吉野崇史氏は、AI技術が普及する中で「福島鰹のような企業が先進的な取り組みを行うことは、他の企業にとっても良いお手本となる」と述べています。
より多くの人々がだしを楽しめる未来へ
今回のプロジェクトは、AI技術と伝統を融合させる試みであり、食品業界に限らず様々な分野でのAI活用を進めていくことを目指しています。私たちも、操作が簡単な「だしAI」を利用し、日常に自然な形でだしを取り入れることができる日を楽しみにしています。日本の食文化を支えるこの革新が、未来の食文化の発展にも寄与することを期待してやみません。