カーボン・クレジット取引のための金融インフラ整備について議論

2023年4月11日、金融庁は「カーボン・クレジット取引に関する金融インフラのあり方等に係る検討会」の第6回議事を開催しました。この会議は、カーボン・クレジットの取引に必要な金融インフラやその健全性、透明性を向上させるための重要な論点を整理することを目的としています。

参加者たちは、2050年カーボンニュートラルの実現に向け、カーボン・クレジットが重要な役割を果たすことを認識しました。また、国内外でのカーボン・クレジットの市場がどのように発展しているのか、特に大企業が中心となって取引が行われている現状が共有されました。

事務局は、取引の透明性や健全性を確保するための基本的な事項を整理しました。具体的には、適切な情報開示、利益相反の防止、法律に基づく遵守事項が挙げられ、それぞれがカーボン・クレジット市場の発展にどう寄与するかが議論されました。

取引参加者が持つ知識や経験の重要性も強調されました。市場が成熟する中で、取引参加者が適切にリスクを管理し、透明性ある取引を行うための支援が求められています。
特に、クレジット売主と取引仲介者に関しては、顧客への適切な商品説明の必要性が再確認されました。

取引所や決済インフラの機能についても話し合われました。登録簿の正確性や公正な取引アクセスの確保が重要であり、これにより投資家の信頼を得ることができると指摘されています。また、デリバティブ取引に関する留意事項についても触れられ、今後の法的環境整備が求められるとの合意が形成されました。

クレジットの買主は、単に商品を購入するのではなく、その評価や保険サービスを活用してリスクを適切に管理し、自社のバリューチェーン内での排出削減を優先する態度が重要だと結論されました。

この検討会を通じて、カーボン・クレジット市場の透明性や健全性を高めるために必要な原則やルールの策定が求められることが確認されました。今後は、カーボン・クレジット取引におけるハイレベルな原則の取りまとめが期待されています。市場関係者は、これらの議論を踏まえ、より一層の取り組みを進める必要があります。