やなせたかし氏とサンリオが共に歩んだ詩の歴史
日本の童謡界を牽引してきたやなせたかし氏。その独特の感性と心温まる詩の世界が再び私たちの手に届くことになりました。 株式会社サンリオが2026年4月1日、やなせ氏の詩集『愛する歌』の初版本を復刻することを発表しました。この詩集は1966年、サンリオとやなせ氏による初めての出版の作品であり、数々の子どもたちに愛されてきました。
1966年の誕生とその背景ほ
サンリオの創業者・辻󠄀信太郎氏と、やなせ氏との出会いは、サンリオの歴史において非常に重要な意味を持ちます。1960年、辻󠄀氏は「みんななかよく」という企業理念を掲げてサンリオを立ち上げ、やなせ氏とのコラボレーションにより、初めての出版事業がスタートしました。その結果生まれたのが、詩集『愛する歌』です。この本は、詩集としては異例の10万部を売り上げる大ヒットを記録しました。
2025年、再注目される
2025年には、やなせ氏の妻がモデルとなった連続テレビ小説『あんぱん』の中でも『詩集愛する歌』が登場し、再び多くの人々の注目を集めました。この流れから、復刻を望む声が高まり、今回の決定に至ったのです。
46篇の多様な詩
復刻版には、やなせ氏の詩が46篇収められています。「てのひらを太陽に」という有名な詩から始まり、子どもから大人まで楽しめる歌やラブソングといった多岐にわたるテーマが描かれており、やなせ氏の後書きには「子供の歌と大人の歌が一緒くたになっている」と記されています。このように、童謡のような幻想的な世界から、人生の深い意味を見つめる普遍的なテーマまで、彼の詩は多彩です。
辻󠄀信太郎氏のコメント
復刻にあたって、辻󠄀信太郎氏は「天国のやなせたかしさんに、無名だった僕たちが手探りで出版したこの詩集が、60年の時を経て復刻されることを伝えたい」と語っています。彼は、やなせ氏のユーモアや独特の感性に対する愛情を表し、読者に詩集を通じての感動を求めています。
書籍情報
『愛する歌』は、A5変形の上製本で、価格は税別で2,000円。2026年4月にはサンリオ関連店舗や紀伊國屋書店などで販売される予定です。初版本から60年を経て、再びやなせ氏の作品を多くの方に楽しんでもらえるチャンスです。
やなせたかし氏のプロフィール
やなせたかし氏は1919年に生まれ、2013年に94歳で亡くなるまで、漫画家、詩人、デザイナーとして多彩に活動してきました。彼の代表作『あんぱんまん』は、54歳で発表されて以来、多くの子どもたちに親しまれ、アニメ化もされました。生涯にわたり創作活動を続けた氏の作品は、心温まるもので溢れています。
トリビアとして、やなせ氏は「詩とメルヘン」や「はなまるマーケット」などでも活躍し、子どもの心を理解する独自の視点を持ったクリエイターとして愛され続けました。今回の『愛する歌』復刻によって、彼の素晴らしい詩の世界に触れることができるのが楽しみです。