未利用素材から生まれる新たなスイーツ
日本国内では毎年大量の食品廃棄物が発生しています。その中でも、まだ食べられるにもかかわらず廃棄されてしまう「かくれフードロス」が存在することをご存知でしたか?この背景を踏まえ、株式会社クラダシが新たに立ち上げた「THE GREEN TABLE」プロジェクトは、未利用素材を利用した新たな価値を生み出すことを目指しています。今回は、その取り組みと第一弾商品「GREEN DOLCE」について詳しくご紹介します。
フードロスの現状
環境省の推計によると、2022年度の日本における食品ロスは約472万トンに上ります。一方で、農林水産省のデータによれば、食品由来の廃棄物は年間で約2,232万トン。このうち、1,760万トンが加工過程で発生した食品残渣などが占めており、その多くは未利用のまま廃棄されています。クラダシはこの未利用素材に注目し、さらなるフードロス削減を目指して「THE GREEN TABLE」プロジェクトを立ち上げたのです。
「THE GREEN TABLE」プロジェクトとは?
このプロジェクトでは、日本酒の絞り粕やワインの澱(おり)などの未利用素材を「新素材」と見なし、それらを利用した独自の食のブランドを創り出していきます。農林水産省の補助事業としても後援されており、継続的な商品開発が期待されています。
第一弾「GREEN DOLCE」の紹介
「THE GREEN TABLE」プロジェクトの第1弾として登場するのが、世界大会での受賞経験を持つパティシエにより生み出されたスイーツブランド「GREEN DOLCE」です。このブランドは、具体的に未利用素材を活用して新しいスイーツを展開します。
初回のテーマは「お酒に関連する未利用素材」。このテーマに基づき、代表的な素材として酒粕とワインの澱(おり)が選ばれました。これらの素材は栄養価が高く、まさに「ジャパニーズスーパーフード」と呼ばれるべきもの。しかし、商品化できる数量には限界があり、一般的には業者に渡されるか、廃棄されることが多いのです。
酒粕とその特性
酒粕は清酒の搾りかすで、高い栄養価が魅力ですが、商品化には限りがあります。本プロジェクトでは、年間136トンのうち約30トンのみが商品化され、それ以外は未利用のままです。これを有効活用することが「GREEN DOLCE」の重要な目的の一つです。
ワインの澱(おり)について
ワインの澱とは、醸造過程でワインの成分が結晶化して沈殿したもので、年間で約2,500kgから3,000kgが廃棄されています。この澱は、ワインの味や見た目に影響を与えるためボトリングの際に取り除かれますが、風味を引き出すための貴重な資源であるとも言えます。
ぜひ注目したいパティシエたち
このプロジェクトには、独自のスタイルを持つ2人のパティシエが参加しています。田中俊大シェフと松田みどりシェフは、それぞれが持つ豊かな経験を活かし、これまでにない新しいスイーツを創造します。
- - 田中俊大シェフ : 都内のパティスリーを経て、「Janice Wong desert bar」や「Jean-Georges Tokyo」での経験を持ち、現在は日本茶をテーマにした専門店「VERT」を経営しています。
- - 松田みどりシェフ : 「yusasage」や「chocolaterie PASCAL LEGAC TOKYO」での経験を積み、2024年には自身のブランド「amazoonia」を開業予定です。
未来のフードロス削減へ向けて
クラダシは「THE GREEN TABLE」プロジェクトを通じ、未利用素材に新たな価値を与えることで持続可能な社会の実現を目指しています。今後も、このような取り組みを続け、より良い食の未来を育んでいくことでしょう。
最後に、クラダシが運営する「Kuradashi」もぜひチェックしてください。このソーシャルグッドマーケットでは、まだ食べられる食品をお得に購入することができ、売上は社会貢献に利用されます。楽しいお買い物が、誰かの助けにもつながるかもしれません。