新日本製薬が新たな化粧品原料を市場に提供
福岡に本社を置く新日本製薬株式会社は、研究により開発した新しい化粧品原料の販売を2025年10月1日から法人向けに開始します。注目の原料は、絶滅危惧種の薬用植物「ムラサキ」の根から抽出した「シコンエキス」と、国内独自のスペインカンゾウから抽出した「カンゾウフラボノイド」の2種類です。
研究の背景と目的
新日本製薬は「美と健康の新しい価値」を提供することを目的に、これまで多くの研究を重ねてきました。新原料の市場投入は、機能性の高い素材を通じて、よりスマートなライフスタイルの提案に寄与すると考えています。
シコンエキスの特長
紫根(シコン)について
シコンエキスは、おそらく古くから伝統的な漢方で使用されてきた「紫根」から抽出される成分です。江戸時代の漢方薬「紫雲膏」にも用いられ、皮膚の炎症や傷の治療に効果があるとされています。しかし、ムラサキは環境の変化などによってその生息数が減少しており、絶滅が危惧されています。
独自の栽培技術
新日本製薬は、2006年から紫根の国内栽培に取り組んできました。独自の栽培技術により、紫根の生存率が向上し、安定的な生産が可能となりました。この努力により、高い品質を持つシコンエキスが実現しました。
美容効果
1.
コラーゲンの生成促進:シコンエキスはコラーゲン産生をサポートします。肌のハリや弾力を保つためには欠かせない成分です。
2.
育毛効果:また、毛乳頭細胞を増殖させる効果もあり、育毛につながる期待が持てます。細胞の増殖実験でも高い効果が確認されています。
3.
抗菌作用: 肌に悩む多くの人にとっては、ニキビなどの問題を解決するための抗菌効果も注目されています。要するに、ニキビの原因となるバイ菌を防ぐ力があるのです。
カンゾウフラボノイドの特長
甘草(カンゾウ)の重要性
カンゾウフラボノイドは、漢方で広く使用される甘草から抽出された成分です。古来より肌荒れに効果があるとされ、多くの薬品に配合されています。しかし、国内での栽培は難しく、ほとんどが輸入に頼っていました。
栽培研究の成果
新日本製薬では、独自の栽培法を開発し、国内での甘草の安定確保を目指しています。さらには、スペインカンゾウの新品種も開発し、その根から得られるカンゾウフラボノイドに関する効果研究も進めています。
シミ予防の期待
カンゾウフラボノイドは、メラニンの生成を抑制することで、シミ予防の効果が期待されています。これは特に、美容に関心の高い女性たちにとって大きな魅力です。
販売概要と今後の展望
新日本製薬は、シコンエキスを800g、カンゾウフラボノイドを5g(1g×5袋)で提供予定です。今後も、国内外のパートナーシップを通じて新しい素材の研究に取り組み、「美と健康」に関する価値を創出していく方針です。
詳しい情報や問い合わせは新日本製薬の公式サイトから確認できます。化粧品業界に革命をもたらすかもしれないこの新素材に、期待が寄せられています。