大麦工房ロアの歩みと魅力
栃木県足利市に本社を構える株式会社大麦工房ロアは、唯一無二の大麦スイーツに特化したメーカーです。1995年に経営者の浅沼誠司氏が、大麦を使ったお菓子の可能性に目を向けて研究を始め、1997年には小麦を一切含まない「大麦ダクワーズ」を世に送り出しました。これは、グルテンフリーのニーズに応えるとともに、地元の大麦を活用した地産地消のモデルでもあります。
大麦の健康効果については、近年多くのメディアで取り上げられ、注目を集めています。アメリカのFDA(食品医薬品局)は大麦食品に対して、血中コレステロールを下げる作用や心臓病、糖尿病を予防する効果があるとの健康強調表示を許可しました。また、大麦に含まれる水溶性のβ-グルカン成分は、食後の血糖値を穏やかにする効果や、ギャバによるストレス改善効果も認められています。
地域と共に成長する
大麦工房ロアの成長の背景には、地域農家との連携があります。農業法人・大麦工房アグリを設立し、高齢化が進む農家が耕作を続けられるよう支援しています。おいしい大麦を安定的に生産するために、必要な知識や技術を共有し、共に育てる体制を整えることが会社の使命です。さらに、東日本大震災で被災した土壌を大麦で再生するプロジェクトを進め、環境保護にも貢献しています。
独自の技術力
大麦工房ロアは、単に大麦を使うだけでなく、菓子の特性を最大限に生かした製法を追求しています。小麦と異なり、大麦はグルテンを含まないため、菓子が膨らみにくいという課題がありますが、その克服には独自の技術的工夫が求められました。製粉方法や皮のむき方など、製品ごとに調整を行うことで、独創的な商品を次々と生み出しています。
主な商品には、大麦を使ったパリッとした食感が特徴の「大麦マカロン」や、生クリームと大麦の風味が絶妙に絡み合った「大麦栗テリーヌ」などがあり、それぞれ健康価値を保ちつつ美味しさも追求されています。特に大麦ダクワーズは、地元の多くの人々に愛され続けています。
経営理念と未来
大麦工房ロアの経営理念は「大麦は地球を救う」。この理念の下、地域に根差した事業展開を続けてきました。農家の育成や環境保護を通じて、持続可能な社会の実現を目指し日々努力を重ねています。また、2025年には年商45億円、従業員200名を超える規模に成長しましたが、大麦農家の数が減少する現実にも直面しています。
長期的な視点で地域貢献を続ける一方で、大麦の健康価値や環境への影響を広め、さらに多くの人々にその魅力を知ってもらいたいと考えています。これからも大麦工房ロアの活動から目が離せません。これにより、多くの人々の健康を支え、地球環境を守る役割を果たしていきます。大麦が持つ無限の可能性を引き出し、今後も明るい未来を目指して邁進する企業、それが大麦工房ロアです。