新たな音楽体験を提供する「拡張音楽堂™」
2025年8月22日、岐阜県にある「サラマンカホール」で実施されるXR拡張コンサート「拡張音楽堂™」の実証実験が近づいています。このプロジェクトは、TIS株式会社、TOPPAN株式会社、アーリーミュージックエンタープライズ株式会社が協力し、次世代通信技術を活用した新しい音楽体験を提供するために始動しました。
拡張音楽堂™とは?
「拡張音楽堂™」は、コンサートホールでの鑑賞体験を一新するためのプロジェクトです。この体験では、観客がApple社のヘッドマウントディスプレイ「Apple Vision Pro」を装着し、演奏に伴って様々な映像やCGコンテンツが視界に表示される仕組みが取り入れられています。これにより、舞台の音楽だけでなく視覚的な演出も楽しむことができます。
本プロジェクトの第一弾として、「源氏物語」をテーマにしたクラシック音楽のコンサートが開催されます。このコンサートでは、メディアアートや語り、和洋古楽が融合し、豊かな表現を実現します。これにより、従来のコンサートとは異なる、没入感のある新しい体験が生まれます。
技術の進化が生む新たな体験
従来のコンサートでは、音楽体験を豊かにするために舞台装置や照明、映像などを駆使しますが、施設の構造や設備に制約されることが多々ありました。しかし、今新たに導入されるXR技術により、コンサートホールにおいてこれまで実現できなかった演出が可能になります。
このような体験を実現するためには、高速通信環境が欠かせません。5Gミリ波と衛星通信の次世代通信技術を駆使することで、演奏と視覚演出が遅延なく同期することを目指します。これにより、観客は音楽と視覚的な演出の一体感を堪能できるのです。
実証実験の内容
このプロジェクトは、東京都が実施する「次世代通信技術活用型スタートアップ支援事業」(Tokyo NEXT 5G Boosters Project)の一環として実施されます。
実証実験では、以下のような点を検証します。
- - ヘッドマウントディスプレイを使用した鑑賞体験の観客満足度
- - 主催者が面する運営上の負荷
- - アーティストの演出の可能性
- - 演奏と通信の同期状況
また、実験においてはサラマンカホールのホワイエに、京セラ株式会社の協力のもと、ディスプレイを使ったXR体験コンテンツの展示も行われます。
各社の役割と今後の展望
TISはこのプロジェクトの開発プロモーターとして支援を行い、TOPPANは技術的なサポートを担当しています。アーリーミュージックエンタープライズは、XR拡張コンサートの企画やサービス化に取り組んでいます。
今後、2027年までにこの新しい音楽体験「拡張音楽堂™」を社会で提供することを目指して、効果検証や技術改善に取り組んでいく予定です。
まとめ
次世代の音楽体験を提供する「拡張音楽堂™」は、音楽と技術の融合を実現し、聴くことだけでなく感情を体験できる新しい可能性を切り開くものです。この興味深いプロジェクトに注目し、未来の音楽イベントがどのように進化するのか、楽しみにしておきましょう。