イタリアのファッション教育を牽引するマランゴーニ、90周年に向けた新たな挑戦

イタリア・ミラノにある「イースティトゥート・マランゴーニ」は、1935年に設立されて以来、数々のファッション界の第一線で活躍する人材を育成してきた名門ファッションスクールです。アレッサンドロ・サルトリ氏やサンドラ・マンスール氏など、著名な卒業生を有するこの学校は、フィレンツェやパリ、ロンドン、ドバイ、上海など、世界9都市に広がるキャンパスを持ち、ファッション、スタイリング、アートディレクション、マーケティングなど多岐にわたる専門家によるリアルな授業を提供しています。

教育競争力の強化に向けた新たな取り組み

創立90周年を迎えた今年、マランゴーニはさらなる実践的な学びを重視したプログラムを展開しています。バーバリー、フェラガモ、ドルチェ＆ガッバーナなどの世界的ラグジュアリーブランドとのコラボレーションにより、学生は実際の産業課題に挑む機会が増えています。これにより、卒業生は即戦力としてファッション業界に飛び込むためのスキルと感覚を身につけていきます。

各キャンパスの特色あるプロジェクト

具体的には、フィレンツェ校ではバーバリーのマスタークラスを通じてラグジュアリーの企画過程を学び、パリ校ではフェラガモとのコラボプロジェクトで素材の活用やデザイン革新を実践。ミラノ校ではドルチェ＆ガッバーナと連携し、実際にブランドが抱える課題解決に取り組んでいます。これらのプログラムは学生にとって、理論だけでなく、業界で通用する“実戦力”を養成する機会となっています。

世界での評価と就職実績の向上

こうした教育モデルは国際的にも高く評価されています。最新のQS世界大学ランキングでは、アート・デザイン分野で100大学の一つに選ばれ、イタリア国内では最も高い評価を得ています。卒業生の91％がファッション業界に就職しているという実績も、同校の教育の質を裏付けており、特にロンドン校ではなんと96％もの就職率を誇ります。

卒業生ネットワークの強さ

また、マランゴーニの卒業生ネットワークは数多くのラグジュアリーブランドで活躍する人材を生んでおり、ChanelやVersace、Pradaなどでの強力な人脈を持っています。学生は、単なる卒業証書以上の価値を感じられることでしょう。

新たなキャンパス「パラッツォ・トゥラーティ」

今年、マランゴーニの新しいキャンパス「パラッツォ・トゥラーティ」がミラノに設立されました。この歴史的な建物は、重要な文化遺産に近く、ファッション・デザインの教育に最適な環境を提供しています。また、最新設備を導入し、デザインの実習や展示が行いやすい工夫が凝らされています。

教育理念を実体験

学生は、歴史的な重厚感を持つスペースで最新の技術を駆使した教育を受けることで、「ファッションを学ぶだけでなく、体験し、生きる場所」を実感できます。

業界のトップリーダーとのナビゲーション

さらに、ラグジュアリー業界のリーダーたちとのメンタリングも行われ、ValentinoやFerrari、Balmainのクリエイティブディレクターたちが学生に貴重な経験や未来ビジョンをシェアしています。特に最近、Versaceの新しいクリエイティブディレクターに就任したダリオ・ヴィターレ氏のような卒業生が、国際的な舞台で成功を収めていることは、マランゴーニの教育システムが業界に直結している証です。

未来の人材育成への注力

マランゴーニのマネージングディレクター、ステファニア・ヴァレンティ氏は、創立90年を迎えるにあたり、デジタルイノベーションやサステナビリティを教育の核にし、今後もグローバルな人材育成に注力することを表明しています。また、今年8月にはリヤドに新たな高等教育機関も開設される予定で、さらなるグローバルネットワークの強化が期待されているとのことです。

このように、イースティトゥート・マランゴーニは、ファッション業界の未来を担う人材を的確に育成するため、絶えず進化し続けています。学生たちも、この貴重な環境で新たな挑戦に挑むことができるのです。