フレイル予防に向けたデジタルの波
日本が超高齢社会に突入する中で、フレイル予防がますます重要になっています。そこで注目されているのが、大塚製薬と株式会社ジョリーグッドが共同施設したVR(バーチャルリアリティ)トレーニングプログラム「FACEDUO」です。2025年12月からは「フレイル予防支援VR」が導入され、健康寿命の延伸と介護予防に貢献することが期待されています。
フレイルの実態とは
フレイルとは、高齢者が経験する体力や気力の低下を指し、要介護状態の前段階とされています。身体的、精神的、そして社会的な要因が絡み合い、健康が蝕まれていくのが特徴です。これらの症状は可逆的なものであり、早期に対策を講じることが重要です。
東京大学の飯島勝矢教授は、 フレイル予防には早期の気づきが不可欠だと説いています。日常生活の中での小さな変化に気づくことで、自分自身を見つめ直し、予防行動につながる可能性があります。
BMIからみた健康への新しい視点
健康診断でよく用いられるBMI(ボディマスインデックス)だけでは、実際の筋肉量を正確に把握することができません。飯島教授は、BMIが高いからといって必ずしも健康とは限らず、逆に「隠れサルコペニア」に陥っている人も多いと警鐘を鳴らしています。特に日本では長年「メタボリックシンドローム」が強調されていましたが、高齢者にはBMIだけでなく筋肉の状態を評価する必要があります。
フレイル予防のための三本柱
フレイル予防には「栄養」、「身体活動」、そして「社会参加」といった三本柱が大切です。飯島教授は、運動だけに偏ったアプローチでは十分な効果が得られないことを指摘しています。そこで、文化活動や地域活動に参加することが、フレイルリスクを低減する可能性があると述べています。仲間とともに過ごす時間は、精神的な充実感を育むだけでなく、身体を動かす意欲を引き出す要素ともなります。
VRによる新たな気づき
飯島教授監修の「FACEDUO」は、フレイルの兆しをVRで疑似体験できるコンテンツです。参加者は、日常生活で感じる小さな違和感を自身の視点で体験することで、現状をより深く理解することができます。例えば、「ペットボトルの蓋が開けにくい」といった状況をリアルに体験することで、フレイルに対する自覚を促すことを目指しています。
地域の支援に向けた取り組み
飯島教授は、「フレイルサポーター」という制度を導入し、地域住民が自身の仲間のフレイルをチェックする仕組みを進めています。これにより、地域社会全体が健康を意識し、互助の形が生まれることが期待されています。
結論
フレイル予防は、ただ身体機能を維持するだけではなく、自身の幸せを実現するための大切な要素です。本取り組みを通じて、多くの人々がフレイルの兆候に気づき、健康で生きがいのある日常を送れることを願っています。